金沢市議会 2016-12-15
12月15日-04号
平成28年 12月 定例月議会 平成28年12月15日(木曜日
)-----------------------------------◯出席議員(38名) 議長 福田太郎 副議長 高岩勝人 1番 上田雅大 2番 中川俊一 3番 小間井大祐 4番 坂本泰広 5番 松井 隆 6番 熊野盛夫 7番 大桑初枝 8番 広田美代 9番 源野和清 10番 前 誠一 11番 麦田 徹 12番 長坂星児 13番 高 誠 14番 喜多浩一 15番 小阪栄進 16番 下沢広伸 18番 野本正人 19番 久保洋子 20番 松村理治 21番 清水邦彦 22番 黒沢和規 23番 小林 誠 24番 山本由起子 25番 森 一敏 26番 秋島 太 27番 角野恵美子 28番 宮崎雅人 29番 澤飯英樹 30番 森尾嘉昭 31番 玉野 道 32番 松井純一 33番 中西利雄 34番 安達 前 36番 横越 徹 37番 田中展郎 38番
高村佳伸◯欠席議員(なし
)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長 山野之義 副市長 丸口邦雄 副市長 細田大造 教育長 野口 弘
公営企業管理者 桶川秀志 都市政策局長 平嶋正実 総務局長 相川一郎
文化スポーツ局長 詩丘樹持 経済局長 八田 誠 農林局長 松倉剛弘 市民局長 野島宏英 福祉局長 太田敏明 保健局長 越田理恵 環境局長 佐久間 悟 都市整備局長 野口広好 土木局長 浅川明弘 危機管理監 中川富喜 会計管理者 石野圭祐 消防局長 小谷正利
市立病院事務局長 太村正信 財政課長
松田滋人-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長 林 充男 担当部長兼議事調査課長
議事調査課長補佐 三傳敏一 中宗朋之 議事係長 角田章郎 調査係長 山口賢一 主査 八木淳介 主査 喜多泰正 主査 太田豊司 主査 渡邉泰介 主任 松田宏志 主任 酒井敏正
総務課担当課長 橋高祐二 主査
齊藤哲朗-----------------------------------◯議事日程(第4号) 平成28年12月15日(木)午前10時開議 日程第1 議案第34号平成28年度金沢市
一般会計補正予算(第3号)ないし議案第50号市道の路線変更について (質疑、委員会付託) 日程第2 一般質問 日程第3 認定第1号 平成27年度金沢市
歳入歳出決算認定について (委員長報告、討論、採決) 日程第4 議案第31号 平成27年度金沢市
公営企業特別会計未
処分利益剰余金の処分について 認定第2号 平成27年度金沢市
公営企業特別会計決算認定について (委員長報告、討論、
採決)-----------------------------------◯本日の会議に付した事件 議事日程(第4号)に同じ----------------------------------- 午前10時3分 開議
△開議
○
福田太郎議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ38名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△会議時間の延長について
○
福田太郎議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△議案上程
○
福田太郎議長 これより、日程第1議案第34号平成28年度金沢市
一般会計補正予算(第3号)ないし議案第50号市道の路線変更について、以上の議案17件を一括して議題といたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△質疑・一般質問
○
福田太郎議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 1番上田雅大議員。 〔1番上田雅大議員登壇〕(拍手)
◆上田雅大議員 おはようございます。 質問の機会をいただきましたので、
自由民主党金沢市議員会の一員として、以下数点にわたり質問させていただきます。 まず、地域防災についてです。 ことし4月に熊本地震が発生してから8カ月が経過しました。地震発生当時、私は、阿蘇に住む友人が被災したとの一報を受け、すぐに県内の友人に支援物資の提供を募り、その提供いただいた支援物資を届けに現地に入りました。阿蘇までたどり着くには大変苦労しました。幹線道路が全て通行どめでしたし、公共交通は不通となっていました。別の友人の自家用車で、道中、現地の方に道を尋ねながら林道を走り、何とか阿蘇までたどり着くことができました。現地では、家が倒壊し、道路には落石や亀裂箇所が至るところにありました。やはり衝撃的だったのは、阿蘇神社の倒壊の様子を目の当たりにしたときです。現地の地震のすごさを物語っていました。私は、この現場を自分自身の目と耳とで確かめることが一番大切だと思い熊本入りをしました。地域住民の方の一番印象に残っている言葉は、この震災のおかげで
地域コミュニティーが高まったとのことで、日ごろお付き合いのない方とよい交流の機会が持てたと、とても前向きなお話を聞くことができましたし、現地入りした当日も、避難場所では地域の多くの方々が集まり、夜遅くまで会話をされていました。また、現地で一番必要なもの、困っているものは意外にも電源の確保でした。現地入りしたときには電気がまだ復旧していなく、頼まれたものは乾電池や携帯の充電器でした。現在、
フェイスブックなどIT情報のほとんどを
スマートフォンで確認しますし、通話も災害メールも
スマートフォンです。充電は1日しかもたないのが現状です。そこでお伺いします。今回の熊本地震で、停電時の非常用電源の確保が難しく、住民の方がとてもお困りでしたが、現在、金沢市内の避難所の停電時の非常用電源の確保はどのようになっているのでしょうか。熊本地震では、車中で寝泊まりをされた方が多く、安否確認が困難だったとのことから、国は、災害時での携帯電話の位置情報等のICTを積極的に取り入れる方針を打ち出しました。私は、市民の方々が避難所で携帯電話の充電が可能な大容量の蓄電式等の装備が必要であると思いました。市長の御所見をお伺いします。あわせて、人が立ち入ることができない災害現場の情報収集にドローンが活躍しておりましたが、今回の熊本地震を教訓に、被災情報の収集等、今後、本市ではどのような取り組みを行っていくのかお伺いします。 次に、
金沢外環状道路海側幹線についてです。
金沢外環状道路は、金沢都市圏の
主要幹線道路であり、この
幹線道路整備は市民生活には必要不可欠な事業であります。これまでに、平成18年に山側幹線が全線で供用開始され、市街地の渋滞緩和に大きな効果があり、開通後は都心部の流れがスムーズになりました。国が施行する
東部環状道路についても、順次4車線化の工事が進められており、先般、御所トンネルが貫通したとのことで、早期の完成、供用を大いに期待しています。また、海側幹線については、これまで1から3期区間の側道部の供用を開始していますが、残る4期区間についても早期の完成が望まれるところであります。さて、今回の国補正予算により、海側幹線4期区間で10億円もの予算を前倒しするとのことであります。そこで、まず海側幹線4期区間の事業概要と現在の進捗状況についてお伺いします。また、当該区間の完成により、白山市乾町から金沢市福久町間がいよいよつながることとなりますが、この整備による効果についてお伺いします。あわせて、今回、国の補正予算を受け、どのような整備を具体的に行うのかお伺いします。近年、大規模災害や地震が多発していますが、当該区間は供用開始後には第1次緊急輸送道路の指定が予定されています。さきの熊本地震では幹線道路に甚大な被害が生じたことから、当該区間において地震に対しての何らかの対策を講じているのかお伺いします。 次は、本市のICTの取り組みについてです。 子どもの
プログラミング教育については6月定例月議会でも質問させていただきましたが、文部科学省では、小学校は平成32年度から、また中学校では平成33年度から
ITプログラミング教育が新学習指導要領にて導入される予定とお聞きしております。本市では先月の11月5日、6日の2日間にわたり、中高生を対象に最先端の
プログラミング教育に触れてもらうことを目的に、民間企業とタイアップした
プログラミングキャンプが開催されました。私自身も会場まで様子を見に足を運びましたが、会場に入って驚いたことは、開かれた空間の中で、色とりどりのTシャツを着た中学生が和気あいあいととても楽しそうに
プログラミングの指導を受けていることでした。今までのITと違うイメージであり、私自身とても勉強になりましたし、新たな発見でもあり参考になりました。2日間という短い時間でしたが、初心者の方が簡単なプログラムを組んでアプリを制作するまでに技術が身についたとのことです。このような取り組みは、学校現場においては教材整備や指導者育成等の課題もあり、もう少し時間がかかりそうですが、ICT分野の人材育成の観点からも
プログラミング教育のニーズは高まってきています。本市では、昨年度から民間企業と連携した形で
プログラミング教育に試験的に取り組んでいます。私は、金沢市のICT産業の次世代を担い、未来を切り開く能力を備え、すぐれた人材を育成する観点からも引き続いて取り組むべきと考えますが、ことし開催した
プログラミングキャンプ事業の成果と課題、あわせて今後の方向性について市長にお伺いします。 次は、
オープンデータについてです。 近年、政府や自治体などが公開する行政データを初めとした、いわゆる
オープンデータの利活用によって新たな価値を創出しようとする動きが盛り上がりを見せています。本市では、いち早く
オープンデータの利活用に取り組み、現在、観光や文化、芸術、公園、防災施設など2,800件を超える施設情報の公共データを二次利用可能な形で提供し公開しています。民間事業者のウェブサービスなどに活用してもらい、市民の利便性向上や地域の活性化を図っています。ことしも本市では、
オープンデータを活用した地域の課題解決につながる
スマートフォン及び
タブレット型端末向けアプリケーションを対象とした
KANAZAWAオープンデータアプリコンテストが開催され、ことしは、好みに合わせて観光コースを選び、指定された場所で
スタンプラリーのように写真を撮影していくことで、漏れなく観光スポットをめぐることができる
金沢観光フォトラリーがグランプリを受賞しました。また、過去に
金沢市長奨励賞を受賞した金沢すきま旅は、旅行者の観光可能な時間を入力すると、現在地、空き時間、天気から、歩いて回れる金沢のお勧め観光地が検索されるといったすぐれたアプリで、現在、数千ものダウンロードがあり、金沢の方が制作された人気アプリとなっています。そこでお伺いします。本市での
オープンデータ推進事業に関するこれまでの進捗状況及び今後の取り組みについてどのようにお考えなのでしょうか。私は、これからは
オープンデータの推進のみでなく、ビッグデータの活用など新たなデータの利活用の取り組みも必要と考えますが、市長の御所見をお伺いします。 次は、
オープンデータに関連して
シビックテックの推進についてです。 IT、情報通信技術を活用することで、市民みずからが市民生活や子育て、介護といった地域にあるさまざまな諸問題を解決していこうとする
シビックテックと呼ばれる取り組みが広がり始めています。一例を挙げますと、5374(
ゴミナシ).jpは、住んでいる地域のごみの収集日や分別方法を教えてくれるウェブサイトです。自治体のごみの収集方法は地域ごとに収集日が異なり、ごみの分別方法も細かく分かれていますし、他都市から引っ越してこられた方にはなおさらわかりにくいものです。このアプリを使えば、自宅の校下を選択するだけで簡単に調べることができます。3年前に金沢市のグループが開発し、今では北海道から沖縄まで90以上の地域で導入されています。また、全国各地に取り組みを支援するグループが設立され、地域の実情に合ったアプリやサービスが利用できるようになっています。4月に全国の
シビックテック団体主催のイベントが金沢で開催され、
ワークショップを通じ、よい情報交換の場となったようですし、本市での
シビックテック活動は他都市と比べると一歩先に進んでいますので、他都市に先駆けた先進地としての取り組みとして、
シビックテックと言えば金沢だとのイメージがつくられるように推進していくべきと考えます。これからは、もっと市民の方に参画していただきながら、セミナーや
ワークショップを通じてさまざまな課題を共有できるような取り組みも必要だと思いますが、市長の御所見をお伺いし、次の質問に移ります。 次は、体育館の利用時間についてです。 2020年に
東京オリンピック・
パラリンピックの開催が決定し、本市では金沢マラソンの開催や来年4月から金沢プールが供用開始となるなど、スポーツに関する機運がとても高まりを見せています。スポーツ団体や個人の方の利用申し込みの増加に伴い、本市の屋内外のスポーツ施設の申し込みが順番待ちや抽選といった形となっています。近年、利用者から体育館の利用時間についての相談を多く受けます。せっかく体育館が利用できても、夜9時までに制限されていると、準備や後片付けの時間を差し引くと練習や運動時間が余りとれないとのことです。これは条例で夜9時までの使用となっており、近隣住民に配慮し、騒音や夜間の明かりで迷惑がかからないようにとのことですが、他都市を見ますと、特に近隣自治体の利用可能時間は夜10時までとのことです。そこで提案ですが、例えば5月から9月までの夜の短い5カ月間だけを試験的に30分体育館の利用時間を延長して使えるような取り組みができないのでしょうか。民家の少ない郊外部の体育館に限定して試験的に取り組むことも必要であると思います。オリンピックに向けた本市の
スポーツ技術力向上にもつながりますし、何よりもスポーツは地域を元気にするとよく言われます。地域の
コミュニティー力向上の観点からも、ぜひ取り組むべき課題だと思いますが、市長の御所見をよろしくお願いいたします。 次は、議場についてです。 提案理由説明の中で市長は、議会移転の撤回を正式に表明されました。議場を初めとする議会棟は現在の場所にとどまることになると思いますが、他都市における最近の議場は当然ながらバリアフリー化されていますし、IT化が進み、
タブレット端末の導入や、また、親子で傍聴できるスペースの設置や、傍聴席との距離がより身近なフラット化になっていたり、市民に開かれた議会を目指したつくりとなっています。今の議場でハード的にもソフト面的にも対応が可能なような工夫を進めていくべきだと思います。
パラリンピックが開催されている時代に、議場がバリアフリー化されていなかったり、IT化に向けた取り組みもペーパーレスの観点から必要性を感じており、老朽化した議会棟ではどこまで整備が可能なのか不透明な部分もありますが、議場のあり方が注目されたこの際、今後の議場のあり方について市長はどのようにお考えか御所見をお伺いします。 最後に、新聞、雑誌、チラシ、段ボールなどの古紙の資源化促進についてです。 現在、市が行っている
家庭ごみ有料化制度の説明会において説明されているとおり、古紙の回収、再生利用を進めることは、資源の有効利用を図り、持続可能な社会の形成にもつながるものであり、一人一人が古紙の資源化に積極的に取り組むことは大切であります。市で実施したごみの組成調査によると、平成26年度の家庭系の燃やすごみの内訳のおよそ3割が紙類となっています。また、事業系のごみに至っては紙類が半分を占めています。先日、校下婦人部の役員の方と意見交換させていただきましたが、婦人会では数年前から雑紙や段ボールの資源回収を自主的に行い、ごみの減量化に積極的に取り組んでおられます。回収場所の自宅前が段ボールでいっぱいになることもあるようです。今後、再生可能な紙類をいかに分別して回収していくかが、ごみの減量化、資源化を進めていく上での大きなポイントであると思います。このことから、市民への呼びかけだけでなく、行政が積極的に古紙を資源化しやすいよう環境づくりをすることが必要だと思います。これらに関して、以下数点お尋ねします。 1点目は古紙の集団回収についてです。市内では、家庭から出される古紙は、小中学校の育友会、PTA、子ども会などによる集団回収を行い、減量・資源化の促進が進められていますが、近年、少子化で土日の行事も多く、保護者も子どもも十分な時間がとれない状態の中で、集団回収による古紙の回収量は年々減少傾向にあるようです。本市では、これを受け、集団回収量をふやしていくためにどのような促進策をお考えかお尋ねします。 2点目は古紙の回収拠点についてお伺いします。集団回収の回数が減ってきている中で、古紙を保管できない家庭では、どうしても燃やすごみの日に古紙を出すしかなく、ステーションで多くの雑紙や段ボールといった古紙が出されているのを目の当たりにすることも多いのが現状です。本市では現在、東部、西部の各管理センターと
西部環境エネルギーセンターに古紙も含めた
資源搬入ステーションを設置していて、利用者に話を聞くと、よい取り組みで助かっているとの声を多く聞きますが、現在の3カ所だけでは地域に偏りがあり、とても市民全体に対する利便性が高いとは言えない現状であるため、さらなる増設が必要だと考えます。身近な場所で古紙の持ち込みができるよう、公共施設を活用した古紙の回収拠点を市内に満遍なく配置していくお考えはないのでしょうか。私の住まいする南部では、近隣自治体の
受け入れステーションが24時間対応可能なために、そのステーションに持ち込みされている方も多いとお聞きしています。また、市民が古紙の資源化に取り組むことができる機会をふやすためにも、市民の方々には余り知られていない民間事業者が取り組む回収拠点も含め、古紙の回収場所をわかりやすく表示し周知することも必要だと思いますが、御所見をお伺いします。 最後は事業系の古紙の資源化についてです。新幹線開業後の昨年度のごみ排出量は、事業系ごみがふえてきているとお聞きしています。さきに述べたように事業系ごみの半分は紙類が占めており、その約4割が再生可能なものとお伺いしています。ごみの減量化、資源化の推進には、家庭での取り組みだけではなく、事業系ごみへの対策を進める必要があり、特に古紙を資源化することが重要と考えますが、現時点での課題や今後の具体的な対策についてお伺いし、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○
福田太郎議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 1番上田議員にお答えいたします。 まず、熊本地震から学ぶということで、蓄電池のことにお尋ねがございました。全ての拠点避難場所に携帯電話の充電が可能な
カセットボンベ式発電機を配備しているところであります。ただ、御指摘のありました蓄電設備の必要性も含めて研究させていただければというふうに思います。情報収集のことについてですけれども、被災情報の収集等につきましては、被害、避難、災害対応体制、
ライフライン等に区分して情報を収集することとしています。新たに考えております
危機管理センターの
防災情報システムには、必要な情報が収集、表示でき、災害対策本部の指示が迅速に伝達できるものを導入できないかというふうに考えています。また、ドローンについてですけれども、人力では確認できない密集市街地や崖地などの被災情報の収集に大変有効であるというふうに考えています。今後、導入に向けた研究を進めてまいります。
海側環状道路の整備についてお尋ねがございました。御指摘の当該区間の整備により海側幹線が国道8号とつながり、山側幹線の
東部環状道路などとともに放射環状型の
幹線道路ネットワークが形成されることから、国道8号の渋滞緩和を初め、金沢都市圏の交通円滑化に大きく寄与するものであると考えています。さらに、加賀や能登を結ぶ
広域ネットワークが強化され、観光客などの交流人口の拡大や地域の発展と活性化に資するものと考えています。
プログラミング教育のことについて、今回の
プログラミングキャンプの成果、課題、そして今後の方向性ですけれども、
プログラミングキャンプにおきましては、中高校生がゲーム、アプリ開発や映像編集などに取り組んだほか、
地元ICT関連企業の仕事内容についての講演も盛り込んだところであります。初心者でも
プログラミングの楽しさを体感できたと同時に、論理的思考や創造性、問題解決能力を育むなど一定の成果があったと感じています。私も直接足を運んで拝見いたしました。様子も拝見しましたし、御指導されている方にいろんな御意見、そして全国の状況などもお聞きいたしました。子どもたちの嬉々として取り組んでいる様子を見て大変好ましくも思いましたし、指導されている方のお話をお聞きいたしますと、この教室から、まだ学生ではありますけれども、独立して事業を起こした若い方もいらっしゃるというふうにもお聞きしておりますし、やはり期待もしていきたいというふうに考えています。 課題ですけれども、日程調整で少し時間がかかりました。当日は市内の学校行事と重なったこともありまして30人に満たない人数であったということ、さらには、短期間のプログラムであったので地元企業の魅力を十分に伝え切れなかったという反省も出ているかというふうに思っています。今後のことですけれども、今年度開催した教室に加え、地元大学や企業等が実施する講座の情報提供にも努めていきたいというふうに思っています。
ITビジネスプラザ武蔵の新
サロンスペースの活用など、参加しやすい環境を整備することによって、ICT産業の次世代育成につながるように、大学、企業の連携を強化してまいります。
オープンデータのこれまでの取り組みと今後の方向性ですけれども、本市では、御指摘いただきましたように他の自治体に先駆けまして、平成25年1月、施設情報を
オープンデータ化し、現在、画像や統計情報なども追加して約4,000件のデータを提供しているところであります。また、
オープンデータを活用したアプリコンテストも行っています。
データ利用者を対象としたセミナーなども開催して、その利用促進に努めているところであります。今後ですけれども、何といっても4,000件ありますので、検索しやすい
データ一覧サイトを整備していかなければいけないと思っています。技術者がより加工しやすい形式でのデータ提供を本年度末までに実施するとともに、近隣自治体と共通した仕様でのデータ整備についても具体的な検討を進めてまいります。 これからは
オープンデータだけではなくてビッグデータ等々も活用したまちづくりを考えていくべきではないかという御提案でした。あらゆるものが情報通信機器を通じてインターネットにつながるIoTが普及し、データを利用した取り組みは民間だけではなくて行政分野においても急速に広がっているというふうに認識しています。御指摘いただきましたビッグデータの活用につきましては、農業、医療、観光、道路の状況など多くの分野において国の実証事業が行われているところでありまして、その結果であったりだとか他都市の事例も参考にしながら、これから具体的に検討を進めていきたいと考えています。
シビックテックのことについてお尋ねがございました。
シビックテックとは、情報機器等を活用しながら市政のさまざまな課題を解決していくという手法であります。これは行政というよりも、どちらかといえば市民主導、また市民協働という観点から広がりつつあるテーマだというふうに思っています。これまで地域課題の解決をテーマとしたアプリコンテストやアプリ開発塾を金沢市は他市に先駆けて取り組んできました。
シビックテック活動の新たな担い手がそういうところから育つことを期待しているところであります。御指摘ありましたように、
シビックテックにつきましては金沢は先進的な都市だというふうに見られています。これは、繰り返しになりますけれども、行政というよりは、むしろ民間が主導して引っ張ってきていただいたイメージだというふうに思っています。私は、このイメージを大切にしていきたいというふうに思っています。これからも本市主催のセミナーやホームページ等での情報発信を通じ、より多くの市民への周知を図るとともに、先ほど申し上げましたように、市民が主導して金沢市が注目されている状況でもありますので、市民と活動に携わる団体が交流するような機会を設けて、課題の共有や活動の輪を広げていければというふうに考えています。 体育館の利用時間についてお尋ねがございました。体育館の利用時間の延長につきましては、課題は上田議員に御指摘いただきましたように、近隣住民の皆さん方の御理解をいただくということになってくるかと思っています。まずは、郊外の体育館に限定させていただきまして試験的に実施できないか、指定管理者と協議しながら検討させていただければというふうに思います。 議場のあり方についてであります。私もさまざまな市に視察であったりいろいろな会に呼んでいただくところでもあります。議場を拝見させていただくことも多くあります。特に、比較的新しくできた議場は、これも御指摘ありましたように、議会席と傍聴席がフラットな状態になっている議場が大変多くあります。これは開かれた市政、県政という観点から取り組まれているんだというふうに思っています。また、金沢市議会でも最近若いお父さん、お母さんの関心のあるテーマが議論されるときには、小さいお子さんと一緒に傍聴にいらっしゃる若いお母さんもいらっしゃいます。子どもがぐずったら慌てて席を外す様子も拝見しているところであります。幾つかの議場を拝見いたしますと、託児機能のついたところもお見受けするところであります。御指摘いただきましたように、議場のバリアフリー化や託児機能の付加など、これから課題になってくるかというふうに思っていますので、しっかりと研究させていただきながら、議場のことでありますので議会の皆さんに逐次御相談しながら研究させていただければというふうに思っています。 古紙の集団回収について、この促進策をどういうふうに考えているかということですけれども、御指摘ありましたように、家庭ごみから出される燃やすごみのうち約3割が紙類であります。古新聞、古雑誌も多くあります。これまで金沢市は、PTAであったり少連であったり婦人会であったり、地域の中での集団回収をしていただいているところであります。私は、これは
地域コミュニティーの醸成という観点からも大変大切な先人がつくってきた伝統だというふうに思っています。大切にしていきたいというふうに思っています。ただ、一方では、御指摘にありましたように担い手不足等々がありまして、資源化率が下がってきているところでもあります。昨年から町会単位での呼びかけをさせていただいているところでありまして、既にことし12月現在で25の町会に町会単位での収集を行っていただいているところでもあります。これからも地域活動の支援を強化し、集団回収を促進していきたいというふうに思っています。 公共施設を活用するということが大切ではないかという御指摘もいただきました。一義的には、先ほど申し上げましたように
地域コミュニティーの醸成という観点から、地域での集団回収が基本であるというふうに思っています。また、一方では、買い物や仕事帰りなどにある程度自由に持ち込めるステーションがあれば便利であるという声もお聞きしておりますし、先ほど申し上げましたように燃やすごみの約3割が紙類ということを考えた場合は、そういうステーションも大切だというふうに思っています。地域のバランスに配慮しながら、東西管理センター、
西部環境エネルギーセンター以外の公共施設でも回収拠点が増設できないか検討していきたいというふうに思っています。ただ、御存じかと思いますけれども、本市におきましては古紙問屋であったりだとか幾つかのスーパーに御協力をいただきまして、民間の施設においても資源回収のボックスコーナーを設けて回収していただいているところであります。そういうところも含めて、身近な回収場所が一目でわかるような回収拠点マップを作成し、民間施設を含めた回収場所の周知に努めていきたいというふうに考えています。 事業系の古紙ですけれども、これも上田議員に御指摘いただきましたけれども、事業系のうち約半数が紙類でありますので、事業者の皆さんにも改めて事業所における分別の徹底と、そのことがコストの縮減につながるということも丁寧に説明させていただきながら、御理解いただけるようにしていきたいというふうに思っています。そのためにも、事業者向けのパンフレットの作成、講習会の開催、特に、紙ごみの焼却量が多い事業所に対しましては職員を直接派遣し古紙の資源化を働きかけるなど、ごみの減量化、資源化に向けた意識の向上を図るとともに、古紙回収業者や製紙業者等との連携による効率的なリサイクルルートの確立に努めてまいります。 私のほうからは以上です。
○
福田太郎議長 中川危機管理監。
◎中川富喜危機管理監 避難所の停電時の非常用電源の確保はどのようになっているのかとお尋ねがございました。本市では、避難所の電源供給のため、カセットボンベ2本で約2時間発電できる
カセットボンベ式発電機を、指定避難所205カ所のうち、拠点避難場所、市立中学校並びに市営体育館の全てに計99台を備蓄するとともに、予備のカセットボンベを3,700本保有し、停電時の対応に備えているところでございます。また、大桑及び大和町の防災備蓄倉庫にガソリン式発電機10台、
カセットボンベ式発電機8台を備蓄しており、避難者の要望に応じて電源の配送供給に努めることとしております。
○
福田太郎議長 浅川土木局長。
◎浅川明弘土木局長
金沢外環状道路海側幹線4期区間についてお尋ねがございました。 まず、事業概要と進捗状況についてお答えいたします。この4期区間は、大河端町から福久町に至る延長3.2キロメートルの4車線道路であり、本市は、仮称千田高架橋などを含む大浦町から千木町の1.6キロメートル区間を、また、石川県は浅野川橋梁を含む1.6キロメートル区間を平成24年度より施行しております。県、市とも用地買収をおおむね完了し、平成26年度より工事に着手しておりまして、本市ではこれまで金腐川左岸の橋梁下部工事や地盤改良工事などを順次施工したほか、現在、千田町及び木越町地内での地盤改良工事や金腐川右岸の橋梁下部工事、大浦町地内での横断函渠築造工事などを進めているところでございます。 次に、今回の国補正予算を受け、どのような整備を具体的に行うのかについてお答えいたします。今回の追加補正予算を受けまして、盛り土区間においては地盤改良工事や地下道築造工事を施工し、また、橋梁区間においては下部工事の一部を施工することとしておりまして、今議会での承認がいただければ順次工事を進めてまいりたいと考えております。 次に、地震時に対して何らかの対策を講じているのかについてお答えいたします。平成24年に、東日本大震災などの各種災害を踏まえた対応として、緊急輸送道路などの重要幹線につきまして、国の道路構造に関する技術基準の見直しが行われたところでございます。これに基づいて、盛り土区間においては地震による液状化対策を考慮した地盤改良を実施するとともに、橋梁区間におきましては、基礎ぐいの本数をふやし、橋梁の耐震性を確保するなどの対策を講じることとしているところでございます。 以上でございます。
○
福田太郎議長 24番山本由起子議員。 〔24番山本由起子議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆山本由起子議員 このたび、みらい金沢の一員として発言の機会を得ましたので、以下数点にわたり質問いたします。 質問の1点目は、子どもの貧困についてであります。 本市におかれましては、子どもの貧困問題に取り組むために、いち早く庁内に子どもの貧困対策チームを立ち上げられ、先日は市長に対して中間報告があったそうです。子どもの貧困率は全国で16.3%と、6人に1人の子どもが貧困の状況にあるといわれています。本市においては子どもの貧困率について特に調査しないということですが、本市における貧困の子どもの状況をおよそどの程度と捉えていらっしゃいますでしょうか。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 昨年度、就学援助を受けていた子どもが約6,400人、児童扶養手当の受給世帯の子どもが約4,800人など、経済的な支援を必要とする子どもの数を勘案すると、本市におきましても貧困の状況にある子どもは決して少なくはないというふうに思っています。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 では、子どもの貧困対策チームの体制や機能についてお尋ねいたします。貧困の状況にある子どもをどのように把握し、そして、把握したケースをどのように具体的な支援につなげていくおつもりかお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 その子どもの把握と支援についてでありますけれども、現在の子どもの貧困対策チームに、経済的に困難な状況にある家庭と接することが多い税務課など、税金や使用料の収納部門を加えた庁内ネットワークを新たに構築していきたいというふうに考えています。あわせて、子どもの貧困に関する相談窓口を設置していきたいというふうに思っています。庁内ネットワークを通じ、支援が必要な方をこの相談窓口へ御案内し、各家庭の状況に応じた適切な支援サービスにつなげていきたいと考えています。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 今回、新たに対策チームに税務課や企業局などの収納部門を加えられたということですが、ネットワークが機能するためにどのようなことに留意する必要があるとお考えでしょうか。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 先般、職員から報告をいただきました。若い職員の皆さんでしたけれども、大変意識の高い職員の皆さんであったというふうに思っています。最も大切なのは、その職員の意識の高さだというふうに思っています。まずは、一義的にはネットワークにかかわる職員が集まり、個別の事例について協議し、連携を深めるケース会議を開催し、ネットワークによる支援を実効性のあるものにしていきたいというふうに思っています。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 次に、子どもの成長、発達の各段階で貧困による不利を蓄積させないための支援策についてお尋ねいたします。学習への支援については、生活保護受給世帯の子ども対象の学習支援と社会的居場所づくり事業は、本市において2012年度から松ケ枝福祉館で始まっております。しかし、登録者は対象者の3分の1程度のままであり、余りふえていない状況です。登録者数がふえないのは、ケースワーカーを通じて保護者に働きかけているが、なかなか理解が得られないなどの理由とお聞きしています。必要とされるお子さんにもっとこのサービスをつなげることはできないものでしょうか。また、松ケ枝福祉館以外にも、遠方の対象生徒のために学習支援室を増設されることを検討されてはいかがでしょうか。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 御指摘いただきましたように、松ケ枝福祉館で学習支援教室を行っています。そのほかにも、特にひとり親家庭のお子さんを対象にして、自宅に学生ボランティアが訪問する事業を行っているところであります。ただ、今御指摘ありましたようなさまざまな御家庭や親御さんの考え方もあるんだというふうに思います。参加することがなかなか困難な子どもたちへの学習支援をどんなふうにして行っていくことができるのか、ここは課題だというふうに思っています。しっかり検討していかなければいけないというふうに思っています。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 学習支援事業においては、特に福祉部門と教育部門の連携が重要であると考えます。子どもの貧困の研究者である阿部彩さんは、生活困窮を発見し支援につなぎたい福祉部門と、発見によるスティグマ、つまり烙印やいじめを回避したい教育部門といったように、異なる部署は異なる目的や倫理をもって動いているため、ぶつかることが多いと認めておられます。しかし、子どもの最善の利益のために、今こそ部門間の壁を取り払い連携することを求めるものですが、市長の御所見をお伺いいたします。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 これまでも金沢市は教育プラザ富樫、此花を通じまして、教育の部門と福祉の部門の垣根を取り払った活動を行ってきました。当然そういう行政的な壁を取り払うだけでなくて、現場において支援活動を行う方々と学校との連携をより十分に図っていかなければいけないというふうに思いますし、そのことについても取り組んでまいりたいというふうに思っています。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 ぜひお願いいたします。 また、中間報告では、質の高い保育や学校教育を継続することの重要性を強調しています。ここでいうところの質の高い保育の具体的な内容と、そのことが子どもの貧困対策にどう資するとお考えなのかお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 本市では、これまで独自の保育士の配置基準等々、一人一人に丁寧な保育が行き渡るように努力してきたところであります。発達におくれが見られる子どもへの統合保育を2歳児まで拡大するなど、子どもの発達保障にも意を用いているところであります。何といっても、貧困の世代間連鎖を断ち切らなければいけません。そのためには、子どもへの教育の保障、そして、その親御さんの安定した就労というものが大切になってくるというふうに思っています。中間報告の中でも、乳幼児期の支援がその後の教育や就労に大きな影響を与えるというふうに書かれています。子どもと子育てに対する支援に今後ともしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 ぜひよろしくお願いいたします。 質問の2点目は、不登校児童・生徒数の増加についてであります。 文科省の調査によりますと、最近、全国的に不登校児童・生徒数が増加傾向であるとのことです。本市小中学校でも同様の傾向にあり、平成27年度に30日以上欠席した不登校の児童・生徒数は529人で過去最高だったということです。中学校はずっと350人前後であったものが平成27年度は387人となり、小学校では90人前後であったものが平成27年度は142人となり、いずれも過去最高を記録し、特に小学校では約1.5倍に増加しています。実に小学生の0.6%、中学生の3.3%が不登校であるということで、特に中学生での割合が高くなっています。 (パネルで説明) グラフをごらんください。このグラフで、ここ数年の学年ごとの推移を見ていますと、最近の5年間で、小学校の高学年から中学校へと学年が上がるにつれて不登校がふえる傾向にあります。特に中学校1年生では、中1ギャップと言われる環境変化のせいか不登校が大きくふえています。小学校では5、6年生からの増加が大きく、また、既に小学校の低学年から不登校の児童が出てきていることがわかります。加えて欠席が30日未満の不登校傾向の児童・生徒のうち、1日でも保健室や相談室等の特別室へ通った小学生は、ここ数年70人前後、中学生は130人前後であり、これも小学生において特に増加しているとのことであります。 不登校は誰にでも起こり得ることであり、つらいときは学校を休んでもよいと文科省も認め、最近成立した教育機会確保法にも明記されています。しかし、その原因や背景については私たち大人が考えてみなければならないと思います。このような不登校児童・生徒数の増加傾向とその原因について、教育長はどのように捉えていらっしゃるんでしょうか。
○
福田太郎議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 不登校児童・生徒の増加傾向についての私の思いと、それから、それに対する原因について御質問がございました。 不登校児童・生徒が増加しているということは全国的な傾向ではありますけれども、本市も同様な状況にあることを大変憂慮しております。特に、不登校児童・生徒に対しまして義務教育において育成すべき力をつけるための指導が十分に行えないということは、学力保障や社会的自立の観点から重大な課題として捉えております。 仰せのとおり、本市では小学校の低学年の不登校も増加しており、学年が上がるにつれて新たな不登校が生まれ、さらに増加する傾向にあります。その要因につきましては、家族関係の急激な変化や親子関係の問題、学校での人間関係などによって不安を抱える子どもや無気力な子どもの割合が高くなっていること、基本的な生活習慣も身についておらず、集団生活に適応できない子どもが増加していることなどが考えられますが、不登校のきっかけが多様化、複雑化してきておりますことから、児童・生徒一人一人の状況に応じた対応が大切であると考えております。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 では、不登校の児童・生徒に対してどのような対応をとられているのでしょうか。
○
福田太郎議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 先ほど議員もお話されましたが、不登校はどの子にも起こり得ることという視点から、未然防止、早期発見、早期対応が大事だと思っております。特に、早期発見のために個別面談や悩み調査などを定期的に実施しており、不登校傾向が見られた場合には、児童・生徒の心のケア、家庭への支援の両面から対応することが大切であり、本市ではスクールカウンセラーや心の絆サポーターを派遣するなど人的支援に努めているところでございます。また、不登校対策にはやはり家庭との連携、協力が必要不可欠であると考えておりまして、家庭教育推進懇話会や、さきに行われました総合教育会議での議論を踏まえて策定する家庭教育推進プログラムなどを通しながら、児童・生徒の育成に努めてまいりたいと考えております。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 先ほどの教育長の答弁にあった不登校の増加の原因の中では、家族関係、親子関係、本人の問題、人間関係などが多かったように感じますが、私は、家庭や本人の問題に加えて、このように最近増加しているというのは、やっぱり学校そのものが持つ何かが児童・生徒に学校へ足を向けることをちゅうちょさせているというか、学校の中にも何か課題があるとの考えはないのかということに関連しまして、質問しますが、不登校を減らして、子どもたちが教師や友達とともに学び、活動することが楽しいと感じられる学校をつくるためにはどのようなことが重要であるとお考えでしょうか。
○
福田太郎議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 まず、社会情勢の変化によって、学校の役割が多様化、複雑化している中で、学校は不登校を初めさまざまな問題に対して、先生一人ではなくて、校長が中心となりながら対策チームをつくるなどして、これまで以上に組織的に対応することが大事だとまず思っています。その上で、不登校を減らすためには、やはり一番大事なのは未然防止だと思っています。その観点でお話しさせていただくとすれば、全ての児童・生徒が日々の教育活動を通しながら、先生方や仲間とともに学ぶことのよさや楽しさを実感でき、あしたも学校へ行きたい、そんなふうに思えることが重要であると考えております。また、学校生活全般におきまして、自分の存在が大切にされていることを実感できる学校づくりも大切であり、金沢型学習モデルを通しながら、児童・生徒の主体的、協働的な学習を充実させながら、児童・生徒の自己肯定感や自己有用感を高めることが重要であると考えております。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 教育長がおっしゃるように、子どもの自己肯定感、自己有用感を高め、存在が大切にされるということは本当に大切だと思っています。今、学校の中でそれがなかなか行われにくい。やはり学力偏重、競争の中で子どもが何か自分の価値を余り認められないという傾向があるのではないかなというふうに感じております。きょうはそのことについては論議しませんけれども、不登校の増加ということに対して、学校の環境、教育の環境について、ぜひともこれからもしっかり取り組んでいただきたいと思います。 質問の3点目は、再生可能エネルギーについてであります。 2011年3月11日に発生した東日本大震災、原発事故を契機に、エネルギーを取り巻く情勢は大きく変化し、持続可能なエネルギー政策について国民的議論が展開され、政府も再生可能エネルギーなどを最大限利用する方針に転換し始めました。こうした中、本市におかれましても、2013年3月に金沢市再生可能エネルギー導入プランを策定されました。震災直後は、原子力にかわる再生可能エネルギーの開発普及に向けて社会全体に熱気が感じられましたが、最近はややトーンダウンしたような感じがいたします。本市におかれましては、あくまでも本市の地域特性を生かした再生可能エネルギーの開発、普及を推進していただきたいと考えます。金沢市再生可能エネルギー導入プランの計画期間は2020年度までの8年間でありますが、今年度は中間目標年度に当たることもあり、その進捗状況や達成度をお伺いいたします。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 再生可能エネルギー導入プランにおきましては、13のモデル事業を推進するということで目標を掲げています。これまで防災拠点等への太陽光発電や用水を利用したマイクロ水力発電の整備、林地残材の混焼によるバイオマス発電の実施など、市民、事業者等との協働により11のモデル事業を実施してきました。その結果、本市のエネルギー自給率は、プラン策定時は5.7%でありましたけれども、平成27年度末に8.4%に達しています。既に中間目標の7.5%を上回っているところであります。決して安住するわけではなく、引き続き努力を重ねてまいります。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 最近では太陽光発電もかなり普及し、売電価格も徐々に低下する状況の中で、本市としては今後はどのような方向性で再生可能エネルギー施策を推進される予定かお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 御指摘ありましたように、太陽光発電がこれまで注目されていましたけれども、新たな再生可能エネルギーの導入を検討するための産学官による意見交換会を開催いたしまして、地中熱、バイオマス、ゼロエネルギー住宅の3つが有望であるとの御提案もいただきました。今後は、この意見交換会で有望視されました3つの分野を中心に具体的な施策を検討し、産学官の推進体制を構築することで最終目標のエネルギー自給率10%の達成に向けて努めてまいります。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 着実に進行しているということがわかりました。 先日、第2回全国小水力発電大会が本市で開催されたということですが、本市で開催された意義はどのようなものでしょうか。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 私は、冒頭しばらくしか出席できませんでしたが、資料を拝見し、また、後ほど報告も受けました。さまざまな団体の皆さん方が、垣根を越えて、安全で経済的な水車などの最新技術の動向、地域との合意形成の進め方など、地域主導による小水力発電に関する課題を共有し、今後の小水力発電による地域の活性化に資する大変意義のある大会であったというふうに報告を受けています。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 重点戦略計画に再生可能エネルギー導入促進ネットワークを構築するとありますが、小水力発電以外にもどのようなネットワークを想定し、どんな方向性で連携を進めるおつもりかお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 実践的なネットワークの形態といたしましては、1つにはNPOによる地域活性型のもの、1つには大学の研究機関等による研究実証型のもの、1つには事業者による経済活性型のものなどがあり、導入プランの新たなモデル事業の拡充に向けまして、さまざまなネットワークと相互の連携を重ねながら、着実に導入事例を積み重ねていきたいというふうに考えています。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 質問の4点目は、生物多様性戦略についてであります。 本年3月に金沢版生物多様性戦略が策定されました。まず、この戦略を策定された経緯とその趣旨をお伺いいたします。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 地球温暖化がいわれて久しいところであります。国におきましても、絶滅危惧種のことを心配したりだとか、また、生物多様性のことについて危機的な状況だということで、国において国家戦略を策定し、地方においても生物多様性基本法に基づいた地域戦略の策定が求められているところであります。本市におきましても、希少生物の保全、外来生物対策の強化が課題となっていますので、昨年度ですけれども、学識経験者やNPOの代表者からなります生物多様性地域戦略策定委員会をつくらせていただきまして策定を進め、今回の策定に至ったわけであります。この戦略の趣旨ですけれども、本市固有の生物の多様性を保全するということ、豊かな自然によって育まれた文化とのつながりにも視点を置き、総合的かつ計画的に施策を展開することで、金沢の個性を生かした戦略の具現化に努めてまいりたいと考えています。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 今、市長は文化という言葉もおっしゃいました。この戦略の基本理念として「文化を育み、心を潤す豊かな自然を明日へ」が掲げられております。また、戦略の中には生物文化多様性という耳慣れない言葉があります。この戦略に文化の視点を盛り込まれた意図をお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 加賀友禅が金沢の文化を象徴する一つであると思っています。加賀友禅は、御案内のとおり花鳥風月をモチーフとして描かれたものが主であります。また、加賀毛針も金沢を代表する希少伝統工芸であるというふうに思っています。加賀毛針は野鳥の羽毛を利用したものであります。また、この寒い金沢だけではありません、北陸の地におきましてはこの冬の寒さと湿潤な気候を生かした発酵食というものも文化だというふうに思っています。そういう市民生活に根づいた文化を大切に守っていくことこそが多様性だというふうに思っています。こうした金沢の文化の多様性、豊かな自然環境を常に意識しながら生物多様性に取り組んでいきたい、そういう思いから文化という表現を使わせていただきました。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 金沢の特異性というか、そういうことを強調されたことだと思います。 リーディング事業として、生物多様性ネットワークの構築、市民ウオッチャー登録制度が掲げられていますが、現在の進行状況をお知らせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 現在、生物多様性ネットワークには蛍の保全や野鳥の保護団体など31の登録があります。10月に会議を開催いたしまして、各団体の活動紹介や今後の活動を促進するための意見交換を行ったところであります。身近な自然を観察し、そこに生息する生物の情報を集めるための市民ウオッチャー制度には現在136名の方に登録いただいておりまして、8月には希少種や外来種に関する講習会も開催したところであります。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 生物多様性を未来に継承するには、自然環境保全活動を推進する人材が重要です。昨今、高齢化が進み、活動が停滞ぎみである自然保護団体も少なからずあると聞いております。どのようにしたら活性化できるとお考えでしょうか。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 私もその課題はお聞きしているところであります。ただ、我々といたしましても、自然観察会等で講師を依頼したりだとか、また、町会や婦人会の協働によるボランティア活動なども積極的にかかわっていただきやすいような環境に意を用いているところであります。何かそういうネットワークの中で定期的な情報交換の場を設けるなどして、相互の交流を図っていく中でいろいろなアイデアも出てくればというふうに思っていますし、活動そのものが活性化していく中で新しい世代の人が入っていただけないか、そんなことも相談しながら取り組んでいければというふうに考えています。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 次に、石川県で最も大きな潟であり、鳥類の宝庫ともいわれる河北潟の自然環境保全活動についてお伺いいたします。河北潟クリーン作戦といわれる河北潟の湖岸清掃は、毎年600名が参加する大規模なイベントとして20年余り続いています。当初はバードウオッチンググループや釣りグループが自主的に清掃活動を行っていましたが、1995年、2市2町の環境部局からなる河北潟水質浄化連絡協議会の呼びかけで、他の団体を加えた河北潟クリーン作戦実行委員会による本格的な統一行動が開始されました。2003年から、主催は行政から河北潟クリーン作戦に参加していた団体を中心とした河北潟自然再生協議会へと移管し、今日に至っています。まずは、本市としてこのボランティア団体が行ってきた河北潟クリーン作戦をどのように評価されていらっしゃるかお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 河北潟周辺のごみの減少、そして生態系の保全など、私は極めて大きい成果があったというふうに思っています。今ほどおっしゃっていただきました河北潟自然再生協議会、民間の皆さんが今は中心になって、さまざまなボランティアの方たちにもかかわっていただきながら取り組んでいただいているところであります。私は、そういう地道な活動を通して多くの皆さんが河北潟に関心を、地域住民の皆さんが関心を持っていただく大きなきっかけにもなったというふうに思っていますし、これまでの取り組みにも心から深く敬意を表したいというふうに思っています。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 行政からは、この活動に対して補助金も出ており、本市の職員も当日のスタッフとして派遣されているということであります。住民のボランティア団体である河北潟自然再生協議会は、組織的基盤も脆弱である上に、組織員の高齢化もあり、実務遂行の事務量の負担から主催を継続することが難しくなっているとお聞きしています。市長も評価されましたこのクリーン作戦の継続のために、行政としてもう一歩進んだ形でのかかわりができないものかお尋ねいたします。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 山本議員にお話しいただきましたように、行政もこれまで、受け付けであったりだとか危険箇所の見回りであったりだとか、職員の派遣、ごみ袋の配布、集めたごみの回収などという形で一緒に取り組んでいるところであります。基本はやはり民間の皆さん方が中心になっていただくのが私は好ましいというふうに思っています。御提案もいただき、問題提起もいただきました。2市2町で研究させていただければというふうに思いますし、できる限りの支援をさせていただくことによって自然環境の保持にもつながっていくんだというふうに思っています。しっかりと宿題とさせていただきたいと思います。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 今、本市は連携中枢都市圏として2市2町でさまざまな取り組みを推進し、そして本市がリードしているところであります。この河北潟の浄化環境保全活動についても、やはり本市がリードすべきではないかなというふうに考えます。せめて実行委員の一員としてかかわるということはできないものでしょうか。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 行政としては、2市2町で連携しながら取り組んでいるところでありますので、今御提案いただきました件は、2市2町の中で今後どんな形でできるか相談させていただければと思います。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 質問の5点目は、家庭ごみ有料化についてであります。 この説明会もほぼ終わりに近づいたところだとお聞きしています。地域の説明会に私も参加しましたが、9月定例月議会で他の議員も指摘されていたように、その内容は有料化ありきで、実施された場合の制度説明に終始していたと強く感じました。やはり地域住民には繰り返し、まだ決定ではなく、有料化について市の考えを提示し、住民の声を聞く場であるということを強調すべきだったのではないでしょうか。また、配布された資料のタイトルは「
家庭ごみ有料化制度について」であり、案の文字も入っていません。これでは班回覧のみの町会や、説明会があっても参加せず回覧を見た住民が、これが決定であると誤解しかねません。市長は説明会の趣旨は参加者に浸透していたと受けとめておられるのでしょうか。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 まず、私自身も4月、5月、直接町会連合会初め各種団体の皆さん方に説明させていただきました。そして、その場でも町会連合会の会長さんを通しまして、各地域、地域の事情がありますから、町会連合会の会長さんに御相談させていただきまして、地域に入って説明させていただきたいというふうにお話させていただきました。その旨を御理解いただいて、今、説明会をさせていただいているところであります。資料であったりだとか、職員も一生懸命取り組んでおりますけれども、時には言葉が足りなかったりするのかもしれません。そういう反省は踏まえながらも、引き続き説明会をさせていただければというふうに思っています。徐々にではありますけれども、私は御理解の輪は広がってきているんだというふうに理解しています。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 次に、私たち議員も含め、市民への情報提供についてでありますが、誘導の意図や偏りがあってはならないと考えます。国が有料化の方針である、有料化している自治体数は全国で63%、県内で79%という数字を伝えられますと、大半がそうなら仕方ないのではないかと思ってしまいがちです。実際、当初私もそう感じました。しかし、県内の自治体では79%かもしれませんが、金沢市、白山市、野々市市、小松市など大きな市では有料化していないわけです。 (パネルで説明) このグラフは昨年度時点での全国の中核市の状況です。中核市45市中、有料化を実施しているのは11市で24%、実施を検討しているのは10市で22%、検討したが実施する予定はないのは7市で16%であり、実施する予定はないが17市で38%となっています。中核市では実施する予定はないが合わせますと24市で54%であります。でも、このような情報は余り出されていません。このような情報も出した上で市の考え方を主張すべきだと考えます。情報提供に偏りがあることで市の姿勢に対する不信感につながりかねないと思います。市長の見解をお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 私自身、説明会で他の自治体の例はほとんど触れません。質問されたら答える程度にしていました。なぜかといいますと、1つには、まず金沢市の子どもや孫たちのためにどういうふうにしていくかという施策を申し上げたかったということ、そして、もう1つは、データのとり方によっていろんな解釈があるということです。実はあれは国が出したデータではありません。最も利用されるのは、東洋大学の山谷先生がまとめられたデータであります。先生は、すごく行政に対して気を使っていただいていまして、例えば、今、金沢市や多くの自治体が取り組んでいるのは単純従量制というもので有料化という形で言っています。そして、きのうも出ました小松市の例ですけれども、超過従量制-一定の量以上は有料化ということで超過従量制ということであります。既に小松市以外の自治体は有料化というふうに言っておりますので、山谷先生は有料化にカウントしています。 ただ、一方では、おとといも申し上げましたけれども、有料化は手数料を行政が責任を持って確保して、それをさまざまな行政目的に使い、多くの場合は環境施策についてですけれども、金沢市の場合は地域に還元するという施策を今回提案させていただいています。一方では、有料指定ごみ袋制度といいまして、行政が保管するんではなくて、市場経済の中でそのまま回すという形で有料化に取り組んでいるところはあります。ただ、これも以前出ましたけれども、名古屋市がそうですけれども、有料化ではないというふうにおっしゃっていますので先生は入れていらっしゃいません。けれども、市民からすれば、行政がその手数料を管理するのか市場に回っていくのかはともかく、お金を払ってごみ袋を買うことになります。ちなみに、名古屋市の場合はネットでも販売されていることもありまして、おおむねリッター0.6円強だというふうにお聞きしております。それでいけば、中核市で有料指定ごみ袋制度をとっているところは既に47都市中15市あります。そして、我々のような、今回提案しているような形は既に11市、計26市が有料化に取り組んでいます。パーセンテージで言えば55%です。今ほど山本議員から教えていただきましたけれども、中核市で現在検討しているところは幾つもあると私は聞いていましたけれども、今10市というふうに教えていただきました。これから金沢市も含めて検討ということだというふうに思っています。政令市に至りましては有料化が9市、そして、有料指定ごみ袋制度が4市ですので13市で65%になります。一般には、人口が多いところは住民合意を得るのになかなか時間がかかる、骨が折れるというふうにいわれておりますけれども、中核市は今のところ55%、政令市は65%であります。 また、外の客観的なことで言えば、既に全国市長会も平成11年の段階で家庭ごみの有料化を推進するという意思表示をしていますし、環境省も平成17年には、家庭ごみの有料化を推奨するということで全ての市町村に通知を出されていますし、既にその段階で先行的に取り組んでいらっしゃった自治体の例を集めながら、平成19年にはガイドラインも発表しているところであります。もちろんその外の環境も大切ですけれども、私は、金沢市におきまして長い間にわたって議論もされてきた、我々の先人がごみ減量化のためにさまざまな取り組みをされてきた、そして、これからどうするのか、そういうことを提示しながら説明するということが大切だというふうに思っています。もちろん外の数字も大切ですから、今こうやって説明させていただいていますけれども、データの見方、とり方によって誤解も受けかねないということもありましたので、私は金沢のことをお話させていただきながら、御理解いただけるように取り組んできているところであります。
○
福田太郎議長 山本由起子議員。
◆山本由起子議員 データについてはいろいろな捉え方があると思います。 私としましては、有料化以外の政策をとにかく優先的にやるというか、経済的インセンティブに走るのではなくて、市民とともに減量化、資源化の取り組みを大々的に展開すべきだというふうに考えております。時間がありませんので、少し質問をはしょりますけれども、市長は以前、本市の教育環境常任委員長のときに、私もその委員の一人でありましたが、有料化しないで減量化に成功した横浜市を視察しました。市長も多分、委員長としてそういう御意思が働いたと思うのですけれども、市長のそのときの視察内容は、今回の有料化方針を決定された際にどのように参考にされたのでしょうか。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 横浜G30プランということで視察にお伺いさせていただきました。家庭ごみの分別をふやすということ、そして、違反ごみへ罰則規定を設けるということに取り組まれていました。積極的に取り組んでいらっしゃいますけれども、家庭ごみの量につきましては、本市と同様、横ばいの状況が続いているというふうにお聞きしているところであります。横浜市は横浜市さんのほうでさまざまな工夫、努力をなさっていることだというふうに思いますし、そのことについては敬意を表したいというふうに思っています。
○
福田太郎議長 以上で、24番山本由起子議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。(拍手) 28番宮崎雅人議員。 〔28番宮崎雅人議員登壇〕(拍手)
◆宮崎雅人議員 質問の機会を得ましたので、創生かなざわの一員として、以下数点質問させていだきます。 質問の第1点目は、学校規模適正化と中学校通学区域の再編についてであります。 本年9月に、新たな学校規模の適正化に向けた方針が決定されました。その中で、小学校については、新竪町小学校と菊川町小学校の統合、馬場小学校と明成小学校の統合、東浅川小学校と犀川小学校の統合の方針が示され、また、中学校では、既に発表されている中学校通学区域再編計画で示された内容も含めた形で、小将町中学校の中央地区への移設と通学区域の見直し、城南中学校と紫錦台中学校の統合、中山間地域の中学校の規模の適正化の方向性が明らかにされました。答申書に掲載されている各学校の児童・生徒数の推移や今後の推計を見る限り、学校としての教育環境の維持、向上という観点からすると、やむを得ないという思いもありますが、通学区域審議会からの附帯意見にあるように、子どもたちの教育環境を整えることを第一としながらも、地域の保護者や住民との丁寧かつ十分な協議を尽くしていただきたいと願っています。そこで、この方針を具現化していくに当たっての教育長の思いをお聞かせください。 〔議長退席、副議長着席〕 この方針案に示された学校の中には、私の母校である馬場小学校、そして小将町中学校が含まれていることにいささかの寂しさを感じております。また、自分たちの出身校がなくなるかもしれないということを残念に思う同窓生からの声も多く聞いています。特に、小将町中学校については、統合ということではなく中央地区への移設ということで、兼六園に近く、明治33年に開設された小将町高等小学校を前身として116年の歴史を持ち、昭和22年の現在の金沢市立小将町中学校として発足以来69年の歴史がある場所から追い出されるような気がしてなりません。同窓生たちの悲しみもさらに大きなものとなっています。同窓会会長である私のもとに、どこへ移設されるか、せめて名前は残せないのか、校歌はどうなるかという不安や不満の声が多く寄せられています。そこで、まず移設場所について、中央地区とのことですが、どのあたりを想定しておられるのでしょうか。まちなか教育施設再編整備の中で検討されると聞いていますが、いつごろ明らかにされるのか、その見通しをお聞かせください。 次に、学校名についてはどのようになるのでしょうか。以前、同じように高岡町から移転し、通学区域が見直しされた、高岡中学校は高岡という名称が継承されています。小将町という名称を何とか残してほしいと思いますが、お考えをお伺いいたします。また、小将町中学校の「朝早き町の景色に」で始まる校歌は、昭和23年11月に金沢の文豪である室生犀星の作詞に日本を代表する作曲家である山田耕筰が曲をつけたものであり、室生犀星が作詞した多くの校歌の中でも、一題目だけしかない変則なもので、詞の中に学校名や地名もないことから、同窓生だけではなく在校生からもその存続を願う意見が多く寄せられています。室生犀星作詞の校歌では、既に野町小学校の校歌がなくなり、もし統合されれば菊川町小学校の校歌もなくなるかもしれません。金沢の文豪のすばらしい詞を後世に継承していくことは我々の責任でもあると思います。室生犀星本人が在籍した小将町中学校の校歌をこれからも歌い続けていくために、移設後の校歌の存続を強く望むものでありますが、お考えをお聞かせください。 質問の第2点は、まちなか区域の定住促進についてであります。 まちなか区域において、これ以上統廃合の必要性が起こらないようにとの願いから、まちなか区域の定住促進についてお伺いいたします。私が小学生であったときの馬場小学校は、1学年3クラスの学校でありましたが、現在の馬場小学校は1学年1クラス、1学年当たり20名弱で、全校児童数が108名の小規模な学校となってしまい、統廃合の検討すべき学校とされました。私もその一人でありますので、余り大きな声では言えないのですが、まちなかの学校を卒業した者の多くが郊外部や金沢市の周辺に引っ越した結果、子どもの数が激減し、このような不幸な状況となりました。そして、残された高齢者にとっては、生活三品を初め、日々の買い物にも苦労するような状況となっています。こういった状況が続くと、さらに二度目、三度目の統廃合が必要ということになりかねません。現に、馬場小学校の統合対象とされている明成小学校は、平成7年に瓢箪町小学校と此花町小学校が統合された学校です。統合時には全学年2クラスの学校でしたが、最近では学年によっては1クラスの学年があり、2クラスの学年でも児童の数は40名台という状況だとお聞きしています。そういった意味からしても、まちなか区域への移住、定住をさらに促進していくことが大切になります。金沢市では、平成13年度からまちなかの定住促進に取り組んできました。その取り組みが一定の成果を挙げ、近年は社会動態がプラスになっていると伺っておりますが、まず、近年のまちなか区域での社会動態の推移をお聞かせください。 社会動態の改善のためには、まちなか区域での宅地の供給が大切となります。特に、低未利用な土地の有効活用を図るとともに、その整備にあわせ狭隘な道路の改良を行うことで、住環境の整備、安全・安心のまち並みづくりの形成につなげてほしいと思っています。現在、金沢市では、まちなか低未利用地活用促進事業補助金制度とまちなか空地活用促進奨励金制度がありますが、その活用が進んでいないと聞いています。利用が進まない原因をどのように捉えておられるのかお聞きします。私は、対象区域をまちなか区域全体に広げるべきと考えていますが、いかがでしょうか。 また、社会動態のさらなる改善を図るために、転入者をふやすだけではなく、現在の居住者に住み続けてもらうことが大切だと思います。そのためには、狭隘な2宅地を1宅地として利用することが有効であると思います。建て替えを行う場合に、セットバックなどが必要なため十分な建築面積を確保できず、建て替えを断念し、郊外部に引っ越しする事例が多く見られます。そして、それらの建物が空き家となったり、歯が抜けたようになり、低未利用地が駐車場になるケースがあります。狭隘な2宅地を1宅地として活用することで、少しでも多くの方にまちなかに住み続けていただくことが大切だと思います。そこで、自己所有地と隣地を活用する場合に隣地所有者が隣接者へ土地を譲渡することを促進するための奨励金制度を創設し、小規模駐車場や空き家になることを防止してはいかがでしょうか。現行制度を見直すことや新たな制度を導入するお考えがないかお伺いいたします。 また、子育て世代の定住を促進することによって、社会動態だけではなく、高齢化が進行するまちの区域の自然動態の改善にもつなげていきたいものです。既に若年世帯への加算や二世帯住宅への定住支援は手厚くなっていますが、大きな宅地が確保しにくいまちなかでの二世帯住宅の建設は大変難しいことから、親世帯と子世帯が近くに住むことによって、子どもが小さいうちは祖父母が子育てを手伝い、また、祖父母が高齢になったら子どもや孫が親世帯を支えることが期待されています。そこで、このまちなか区域での親世帯と子世帯が隣同士に住む隣居や近くに住む近居に対する新たな支援制度を創設することについてお考えをお聞かせください。 質問の第3点目は、特色のある教育活動についてであります。特色ある教育活動について何点かお伺いいたします。 小将町中学校は、東長江地区に約1万坪に及ぶ学校植林地を所有し、毎年、生徒による下草刈りなどの森を守る取り組みが行われています。このような、まちなかの子どもたちが里山の自然に触れる機会は大切であると思いますが、この活動をどのように捉えているか、また、学校が移設されてもこの活動が継承されることを期待していますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 金沢市では多くの学校がユネスコスクールに登録し、環境教育、国際理解教育、伝統や文化に関する教育など、人と社会や自然、世界とのかかわりを通じて、自己の価値観や生き方を見直し、持続可能な社会の構築に向けて行動できる児童・生徒の育成に取り組んでいます。このような取り組みを進める上で大切なのは、それぞれの地域の特色や環境を生かしたさまざまな教育活動を展開することにあると思います。そういった中で、大野町小学校では、金沢港に面し、金沢で唯一の灯台を持つなど、海とのかかわりや海の恩恵を受けてきた地域にふさわしく、今年度から海洋教育に取り組んでいると伺っております。そこで、大野町小学校が目指す海洋教育とはどのようなものなのか、また、今年度具体的にどのような教育活動が展開されているのかお聞かせください。 海の近くに住んでいるとはいうものの、多くの児童は海とのかかわりを余り感じていないのではないかと思います。今後は、海というものをテーマに、生き物とのかかわり、周辺の環境問題、海の玄関口である港を通じた他国との関係、海から受ける恩恵や、津波や高潮などの防災面から見た海という自然などを学習する材料は多様であると思います。そこで、海洋教育を進める上での地域の人材活用について、その状況と今後どのような方々に協力をお願いするおつもりかお伺いいたします。そして、各学年に応じた教育内容の充実を図るとともに、さらに積極的な取り組みをお願いするところですが、海洋教育を進めることでどのような効果が期待できるのか、子どもたちにどのような力をつけたいと考えているのかお伺いします。 また、海みらい図書館では日本海情報コーナーが設置され、日本海を通じた歴史、文化、産業、水上交通、海洋資料などの日本海文化に関する資料が収集され公開されています。大野町小学校が海洋教育を進めるに当たって、海みらい図書館としてどのような協力や支援が可能なのか、お考えをお聞かせください。 質問の第4点目は、食育の推進と金沢の食文化の振興についてです。大野といえば、しょうゆやみそなどの発酵食文化の拠点であり、日本海の海産物とともに、金沢の豊かな食文化にとってなくてはならない地域であります。そこで、ここからは食育の推進と金沢の食文化の振興について何点かお伺いいたします。 まず、学校における食育について伺います。学校において、栄養教諭等を中心に給食を通じた食育が進められているものと思いますが、子どもたちに郷土の食文化を理解させるには、地域の豊かな食材を使った給食を提供することが大切であると考えます。そこで、給食での地場産品の使用率はどうなっているのかお伺いいたします。 次に、毎年、児童・生徒を対象に地場産品を活用した給食献立の募集を行い、優秀作を実際の給食で提供しているとのことですが、これまでにどれぐらいのメニューの提案があり、その中でどれぐらいのメニューが実際に給食として提供されたのか伺います。多くの提案が実際の給食として提供されたのですから、これら子どもたちが提案したレシピを食材ごとに整理し、レシピ本にまとめたり、ホームページで紹介すれば、地場産品の消費や販路の拡大につながるものと考えますが、農林局において、教育委員会と連携し、レシピ本にまとめたり、ホームページを立ち上げたり、情報提供することについて、課題を含めて御所見をお伺いいたします。給食については、アレルギー対応の関係もあって、メニューはかなり早くに決定され保護者に通知されることや、1日に何万食もの調理が必要となるため食材の確保が難しい面を考慮すると、なかなか全てを地場産品というわけにはいかないことは重々承知しておりますが、これからも地場産品の積極的な活用をお願いしておきたいと思います。 さて、私も金沢の豊かな食材とさまざまな調理法についてはいささかの興味と関心を持ち、また、金沢の食文化の情報発信にさまざまな形で貢献してきたつもりであります。先月も、議員各位の御協力により、3回目となる食文化かなざわ大会2016の実行委員長として、微力ながら金沢固有の食文化の振興と情報の発信に取り組み、成功裏に大会を終えることができました。改めて感謝を申し上げます。ありがとうございます。また、大会に参加していただいた細田副市長に感想をお聞かせ願いたいと思います。 北陸新幹線開業以来、金沢の食、そして豊かな食文化に関しては広く全国に知れ渡り、観光客だけではなく、金沢の食を目当てに多くの方々が金沢にお越しくださるようになってきました。そういった中で、金沢市では全庁体制で食文化の振興に取り組むとされておりますが、実質的には金沢の食文化の継承及び振興に関する所管は経済局であり、食育の推進と食の安全・安心の確保に関しては保健局、そして、加賀野菜や金沢そだちなどの農産物、かないわ香箱など海産物の生産拡大やPR、販路開拓などは農林局となっております。また、調理施設については、農業センターに加工実習室や調理実習室が設置されているほか、近江町いちば館にはキッチンスタジオ、企業局のガスぽーとにはクッキングスタジオが設けられています。また、各地区の公民館にも調理実習室が多く設置されており、さまざまな教室が行われています。これらの取り組みを見ると、それぞれに事業の狙いや施設の設置目的が異なることは理解しているつもりですが、どうもうまく連携がとれていないように感じているのは私だけでしょうか。せっかくさまざまな事業が行われ、多くの市民の参加があるにもかかわらず、それが連携されていなかったり、系統立った活動になっていないのではないかと心配しております。そこで、経済局、保健局、農林局の各局において、金沢の食に関してどのような取り組みを行っているのか、また、どういった団体と連携し、どのような体制で進めているのかお伺いいたします。 私は、各局の事業目的等が異なっていても、最終的な目的は金沢の食文化の継承と振興に集約されるものと考えております。そこで、各団体などとの連携を深め、全ての事業にかかわりを持ち、金沢の食文化に関する全体を把握し、調整するための食文化振興室のような部署を設置してはどうかと考えますが、市長の御所見をお伺いし、私の質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○高岩勝人副議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 28番宮崎議員にお答えいたします。 小将町中学校のことですけれども、移設場所と時期であります。重点戦略計画の中に掲げました中央地区での中学校の新設につきましては、特別支援教育サポートセンターの整備、旧小学校施設の再整備とあわせて現在検討を行っているところでありますが、基本的には、本市が現在所有している土地を活用する方向が望ましいと考えています。教育委員会では、小将町中学校の中央地区への移設を今般策定した学校規模適正化に向けた方針に盛り込んでおりまして、できるだけ早い段階で設置場所等についてお示しできるように取り組んでまいります。 まちなか区域の定住促進についてですけれども、まちなかのための低未利用地の活用の補助金、空き地の奨励金のことについてですけれども、現在、利用の促進を目指し、制度の改善に向けて関係団体から御意見をお聞きしております。今まさに宮崎議員におっしゃっていただいたような御意見を今お聞きしているところでありまして、今後、御提案いただきました区域の拡大等を含め、より利用しやすい制度となるように検討を進めていきます。 自己所有地と隣地の活用のことについてですけれども、仰せの土地の譲渡を促進するために、売り主へ今ほど申し上げましたまちなか空き地活用促進奨励金を設けるなど、低未利用地の活用やまちなか定住の促進に向けて、全国的に見ても私はトップレベルと言ってもいい手厚い施策を設けています。まずは、この制度の普及啓発に努めるとともに、空き家バンクへの登録を促すなど、低未利用地の流通を促進する取り組みに力を注いでまいります。 まちなか区域での二世帯住宅のことについて御提案をいただきました。親世帯、子世帯の同居はもちろん、隣居、近居ということも大切な視点であるというふうに思っています。まちなか定住支援制度におきましては、住宅の取得について、対象者や建築場所を限定せずに支援しているほか、二世帯住宅や若年者及び多子世帯に対しても、奨励金の額を上乗せするなど制度の充実を図ってきたところであります。今後とも、よりよい制度となるように、引き続き研究を重ねていきたいというふうに思っています。 食文化のことについて、食文化振興室はどうかと御提案をいただきました。食文化に関連する事業は、おっしゃっていただきましたように経済局、保健局、農林局にまたがり幅広い分野に及んでいるものであります。今のところ、その全てを統括する部署の新設までは考えていませんが、近く食文化推進本部なるものを開催し、部局間の事業連携や新年度予算に向けた情報共有などを行う予定でありまして、引き続き、各部署しっかり連携して本市の食文化の振興、発展に努めてまいります。 私のほうからは以上です。
○高岩勝人副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 新たな学校規模適正化に向けた方針の具現化に向けた私の思いでございますが、学校はそれぞれの地域にとって大変大切な施設であり、その校区は
地域コミュニティーの礎であると思っております。したがって、学校の統合などの取り組みを進めるには、地域の方々や保護者の方々に丁寧な説明を行い、理解を得ることが肝要と考えております。子どもたちの教育環境を整えるため、学校規模の適正化は必要不可欠であり、今回策定した方針について、できる限り早くその実現が図られるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。 移設予定の中学校の校名と校歌についてでございますが、学校の名称や校歌は在校する児童・生徒のみならず卒業生や保護者、地域の方々にとって、愛校心や郷土愛を育む上で大変大切なものであると思っております。また、地域の歴史、文化や情景、学校の理念や特徴をあらわすことにもなりますことから、これまでも慎重に決定してきたところでございます。新たな学校規模適正化に向けた方針に盛り込んだ統合等の取り組みを進める中においても、校名や校歌の決定に当たりましては、多くの方々の意見を踏まえながら慎重に行っていきたいと考えております。 小将町中学校の里山に触れる活動についてでございますが、小将町中学校の生徒による学校植林地での作業は、勤労のとうとさや社会奉仕の精神を養う貴重な活動となることや、保護者とともに活動する機会にもなりますことから有効な活動であると捉えております。小将町中学校の植林地は地元の篤志家から寄贈されたものであり、歴史もありますことから、今後ともこの活動が継続して行われるよう努めてまいりたいと考えております。 次に、大野町小学校の海洋教育について何点か御質問がございました。 大野町小学校が目指す海洋教育と今後の活動についてでございますが、大野町小学校では、海とのかかわりがあるという特色を生かし、歴史や人々の営みなどの学習を通して地域への理解を深めるとともに、次代を担える児童の育成を目指しております。今年度は、大野川や日本海の生物調査、北前船の歴史や大野町に残る港町の史跡めぐりなど、教科学習とも関連させながら総合的な学習の時間を中心として実施しております。 次に、海洋教育を進める上での地域人材の活用につきましては、今年度は地元の元漁師さんやしょうゆづくりに携わっている方々、関係施設の学芸員などに協力いただいたと聞いております。今後とも、学校と家庭、地域が連携しながら、地域の人材を積極的に活用することで特色ある教育の実践が深まることを期待しております。 海洋教育の効果とつけたい力についてでございますが、海洋教育は、海に親しみ、海を守り、海を知り、海を利用する学習を推進する教育のことであり、それを推進することで、地球規模の環境保全など海洋に関するさまざまな課題に的確に対応できる人材を育成することができるといった効果が期待できると考えております。子どもたちには、ふるさとに誇りと愛着を持ち、まちづくりに参画する資質や能力を身につけさせるとともに、自分の思いや意見を海でつながっている広い世界に発信できるコミュニケーション能力の育成につなげていきたいと考えております。 大野町小学校の海洋教育に金沢海みらい図書館がどのような協力や支援が可能かとのお尋ねがございました。今年度は、大野町小学校の探検クラブが大野川や金沢港の生き物を調査するに当たり、金沢海みらい図書館から資料の提供を行うとともに、同図書館内で調査結果のパネル展示を実施したところでございます。金沢海みらい図書館には、その名前が示すとおり海に関する資料が約2万冊あることから、司書教諭や学校司書等と連携し、海洋教育に積極的に協力してまいりたいと考えております。 次に、学校給食における地場産品の使用率と地場産品を活用した給食献立の応募数と実際の給食に提供された献立数についてお尋ねがございました。学校給食における石川県産の食材の使用割合は、昨年度、今年度とも約36%となっております。また、児童・生徒からの学校給食の献立応募では、平成17年度から昨年度までに2万3,000点を超える応募があり、毎年、優秀作品の4献立を実際の給食として提供しております。これまでも栄養士による献立の研究や地場産品を使用した加工食品の開発、また、地場産品を使った「じわもん給食」の実施などに取り組んできており、引き続き、さらなる地場産品の使用拡大に取り組んでいきたいと考えております。 以上でございます。
○高岩勝人副議長 野口都市整備局長。
◎野口広好都市整備局長 まちなか区域の定住促進について、まず、近年のまちなか区域の社会動態の推移についてお答えいたします。平成21年から転入が転出をおおむね上回るなど、まちなか区域の社会動態は改善しておりまして、昨年1年間では過去10年間で最大の263人の転入超過となったところでございます。 次に、まちなか低未利用地活用促進事業補助金制度など、これらの制度の利用が進まない原因をどのように捉えているのかとのお尋ねがございました。仰せの制度は、まちなかの狭隘道路に面した開発行為の対象とならない500平方メートル未満の未利用地について活用を促すための支援制度でありますが、対象となります区域が特別消防対策区域等に限定されていることや、土地所有者の活用意欲が弱いことなどにより利用が進んでいないのが実態であると考えております。 以上です。
○高岩勝人副議長 松倉農林局長。
◎松倉剛弘農林局長 農林局と教育委員会の連携に関しまして、子どもたちが提案したレシピをレシピ本にまとめたり、ホームページを立ち上げて情報提供することについてお答えいたします。応募件数が非常に多いために、全ての提案を掲載するということは難しいですが、家庭からの食育の推進が期待できますことから、教育委員会と連携し、市のホームページでの情報提供に向けて検討してまいります。 続きまして、金沢の食に関しまして、農林局の取り組みと団体との連携体制についてお尋ねがございました。農林局におきましては、農産物や水産物の消費拡大と地産地消の推進を図るため、ブランド力の向上や市場を通した食材の安定供給等に取り組んでおります。これらの事業につきましては、農業団体、漁業団体や市場関係者等で構成する金沢市農産物ブランド協会や金沢おさかな普及協会等と連携協力しながら進めているところでございます。 以上でございます。
○高岩勝人副議長 細田副市長。
◎細田大造副市長 食文化かなざわ大会についてのお尋ねがございました。本大会は2部構成でございましたけれども、第1部の食文化講演会におきましては、講師をお務めいただきましたフードコーディネーターのつぐまたかこ様から、加賀野菜15品目の一つ一つについて、講師御自身が丁寧に御取材いただきました内容についてお話をお伺いさせていただきました。大変説得力のあるお話でございまして、感銘を受けたところでございます。また、第2部につきましては大試食会という形で開催されたところでございます。大根ずしですとか、かないわ香箱を初め、加賀野菜などの地元食材などを使った料理、そして地酒もございました。金沢の豊かな食文化を実感させていただいたところでございます。当日、市内だけではなくて沖縄や群馬など県外からも多くの方々に御参加いただいたところでございまして、盛会の中、金沢の食文化を十分情報発信できたのではないかと感じているところでございます。 以上でございます。
○高岩勝人副議長 八田経済局長。
◎八田誠経済局長 金沢の食に関する経済局の取り組みについてお尋ねがございました。経済局では、食文化推進本部の事務局として、食文化条例の普及啓発や食文化の魅力発信事業を重点的に行っております。今年度は、金沢食文化フォーラムとして、発酵食をテーマにしたトークショーや食育キッズマイスターの活動発表などを行いました。また、大学と連携した市民講座を実施しましたほか、石川県菓子工業組合や金沢食文化名工会などが実施する講習会等に支援を行うなど、食文化推進委員会の各団体と連携して事業を推進しているところであります。 以上です。
○高岩勝人副議長 越田保健局長。
◎越田理恵保健局長 金沢の食に関する保健局の取り組みといたしましては、市長を本部長とする金沢市食育推進実践本部の事務局といたしまして、保育、教育関係者、食の生産流通団体と連携して全市的な食育活動の把握を行い、その推進に努めております。また、食による健康づくりの視点から、若者の健康食セミナーなどさまざまな事業に取り組んでいるほか、食の安全・安心を保障するという観点で飲食店等の衛生管理の徹底にかかわる啓発、監視、指導等を行っております。 以上でございます。 〔「議長、28番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○高岩勝人副議長 28番宮崎雅人議員。
◆宮崎雅人議員 野口教育長、答弁ありがとうございます。 今ほども教育長から答弁をいただきましたが、本市として旧町名復活など、そして、今移設されるという中央地区に対しても、長町であったり長土塀とか芳斉、松ケ枝、先ほど言いました金沢の三文豪、馬場小学校は特に泉鏡花、徳田秋声、そして、あのエリアにはそういう記念館もございます。そういうことを考えると、市長にお尋ねしたいんですけれども、金沢の旧町名復活、そして室生犀星のそういう校歌がなくなる。先ほど私、音痴ですけれども歌わせていただきました。職員の中にも何名もOBの方がいます。そんな面で、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思いますので、御答弁よろしくお願いします。
○高岩勝人副議長 山野市長。
◎山野之義市長 私の母校、長町小学校も残念ながら統合でなくなりました。学校や学校そのもの、校名、校歌がなくなるというものは同窓生にとっても大変重たいものがあるというふうに思っています。一義的には地域の方や保護者の方に相談もさせていただきながら、また、同窓会など関係する方々の御意見も広くお聞きしながら、これから慎重に決めていきたいというふうに思っています。 以上です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△休憩
○高岩勝人副議長 この際、暫時休憩いたします。 午後0時4分 休憩----------------------------------- 午後1時4分 再開
△再開
○高岩勝人副議長 出席議員数は、ただいまのところ37名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△質疑・一般質問(続き)
○高岩勝人副議長 休憩前の議事を継続して質疑並びに一般質問を続行いたします。 8番広田美代議員。 〔8番広田美代議員登壇〕(拍手)
◆広田美代議員 質問の機会を得ましたので、日本共産党金沢市議員団の一員として、以下数点にわたり質問いたします。 最初は、介護保険制度改悪と総合事業についてです。 介護保険は目まぐるしい改悪が続いています。介護報酬の引き下げ、特養老人ホームの入所を要介護3以上に限定、介護の利用料を一定所得で2割負担にし、補足給付の要件を厳しくするなど、利用者にとっては保険料を納めていながらサービスを受けられない、詐欺だという怒りが巻き起こり、事業者の経営も深刻になっています。本市は、国からの防波堤となり市民を守ることが求められるにもかかわらず、介護保険料は中核市で4番目に高く、保険外しといわれる総合事業を進めました。総合事業とは、地域包括ケアシステムの一環として、介護保険制度における要支援1、2の方のヘルパーとデイサービスを保険給付から外し、自治体独自のサービスに移行するというものです。しかし、予算については上限額が設定され、先行自治体では要支援認定からの卒業型、規制緩和型、ボランティアやNPO任せなど、サービスの縮減、質の低下を招くことは明らかです。本市では現在、要支援1、2の方はおよそ7,500名、そのうちヘルパーの利用は1,500名、デイサービスは3,250名が利用しています。この方々の生活の質を守れるかが問われています。本市でも総合事業の具体案が明らかにされましたが、現場や利用者からは既に不安や問題を指摘する声が上がっています。指摘されている問題点について伺います。 本市が示している基準緩和型については、報酬単価を8割に設定、身体介護などサービスの中身を減らし、サービス提供者も13時間の講習さえ受ければよいというものです。利用者にとっては、介護保険サービスが受けられなくなるだけでなく、安上がりなサービスへ誘導される可能性があります。サービスの縮減、質の低下、専門職ではない方がサービスを提供することで本来の介護予防の力が発揮されないと懸念されています。市長の見解を伺います。 利用の仕組みも変わり、要支援認定を受けなくても、基本チェックリストという1枚の紙で総合事業へ振り分けることが可能となります。本人や御家族、現場のケアマネが、要支援、要介護の認定更新を希望しているのに、認定を受けさせず、介護保険制度から卒業ということはあってはなりません。サービスの利用についても同様で、これまでどおり本人や御家族の意向を尊重するべきですが、見解を明らかにしてください。さらに、事業所の経営への影響、労働者の給料の引き下げが危惧されます。今でも介護士の賃金は低いとされているのに、さらに下がることは許されません。運営審議会のメンバーからも指摘がありましたが、今求められている介護職の賃金アップとは逆行し、働く人が自立できないような賃金体系を本市みずからがつくってよいのか、お考えを明らかにしてください。 そもそもこれまでの介護保険制度の改悪によって、既に事業所の経営が成り立たないという声も上がっています。先日、市内の各地域デイサービスの施設長の皆さんから、現状の報告、貴重な御意見をいただきました。地域デイサービスは、もともと介護保険制度以前に本市の委託事業として始まり、介護保険制度の導入以降は民間と同じ扱いです。それでも、地域の支えはもちろん、施設については善隣館や公民館、また市の建物などを利用しているところもあります。それでも経営が大変という窮状の訴えがほとんどでした。地域を基盤にした善意の施設でさえも介護保険制度の改悪によって立ち行かない、この状況を市長はどのように受けとめているでしょうか。こうした現状を踏まえ、現在示された総合事業案についても現場の意見を聞いての見直しが必要ですし、検討されているボランティアやNPOなどがサービス提供を行うことは公的責任を投げ捨てるものであり、やめるべきですが、いかがでしょうか。そして、次なる改悪、要介護1、2の切り捨てや自己負担3割などは許されるものではありません。介護保険制度の改悪は、市民の生活を圧迫し、高齢化の進んだ地方自治体を苦しめることも明らかです。市長、国へ介護保険制度の改悪メニューを撤回するよう働きかけるべきですが、お考えを明らかにしてください。 次は、子どもの貧困対策についてです。 今年度設立された庁舎内の子どもの貧困対策チームについて、先日、中間報告と今後の取り組みが市長へ報告されました。その中で、来年度から設置する予定の相談窓口について伺います。この相談窓口は、ワンストップでその場で全て相談に乗り解決するものではなく、さまざまな視点で子どもを取り巻く世帯の貧困を捉えて、各課への対応につなげ、情報を共有し連携するものと聞いています。貧困対策チームとして相談の仕組みを具体化し、連携を図るというのは大変重要ですし、ぜひとも多くの御相談に対応し、解決に結びつくことを期待しています。しかし、ここで改めて問いたいのは、行政や公務員の皆さんが市民にとってどうあるべきなのかということです。本市は、平成18年に、中核市で初めて児童相談所が設けられた都市です。社会の複雑化、孤立化から弱い立場の子どもたちを守ろうと、他都市に先駆けて設置したことは本市の誇るべき財産です。それから10年、さまざまな困難を抱えた家庭の子どもたちにとって、最善策をともに悩みながら考え、対応されてきたのだと思います。私は、そうした市の取り組みを通じて、本市として何を学び、今後、行政と自治体職員一人一人が子どもの貧困に向けてどう取り組むべきなのか問われているように感じます。やはり大事なのは、民間ではない自治体職員だからこその市民の命と生活を守ることへの責任です。そして、あらゆる側面から市民を包括的に支援できる強みです。そのことをぜひ再認識して取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。また、相談窓口は福祉総務課が担当するとしていますが、体制の充実や専門職の配置が必要ではないでしょうか。 ところで、子どもの貧困が生まれないためにどうするかということを忘れてはなりません。その点では、子どもの医療費については、保護者の要望から、一部自己負担はありますが中学校3年生まで現物給付となりました。しかし、子どもの貧困に取り組む本市としては、やはり完全無料化し、他都市のように高3まで拡大すべきですが、いかがでしょうか。教育の面では、お金がなくて学べないという権利侵害が起きないよう力を尽くしていただきたいと思います。就学援助制度の入学準備金は、現在は入学式を越えて8月の支給となり、制服が買えないと切実な声が上がっています。全国的にも入学準備金制度を設ける動きが広がっており、県内でも6自治体が実施しています。本市では、3月定例月議会で森尾議員の求めに対し、教育長は、入学前に支給されることが望ましいことから、入学前の支給について検討してまいりたいと答えています。その進捗状況をお聞きします。今年度内にも実施できる可能性はあります。特に、負担の大きい中学生にあっては今年度実施すべきですが、お考えを明らかにしてください。 次に、学童保育について伺います。 2015年度に本格実施された子ども・子育て支援新制度は、待機児や子育て不安の解消のために、消費税財源を活用し、規制緩和など新たな仕組みが導入されました。学童保育に係っては市町村が実施主体となることが明確に定められました。しかし、現場や保護者からの声では、待機児や施設運営にかかわる問題などさまざまな困難が広がっています。まずは待機児童の問題です。全国学童保育連絡協議会が毎年5月に行っている調査では、支援単位数、入所児童数とも前年を上回り、待機児童は全自治体で1万5,839人、本市の調査でも、今年度当初わかるだけでも105名と報告がありました。来年度の申し込みでも既に断っている学童保育もあると聞いており、引き続き待機児童が出る可能性があります。この状況について、現場や保護者の皆さんとこの間改善を求めてきましたが、本市ではどのように対応されたのでしょうか。待機児童をなくすよう求めますが、いかがでしょうか。 次は、施設や運営にかかわる問題です。先日、金沢市学童保育連絡協議会の指導員、保護者の皆さんたちが市と懇談を行い、問題点が明らかとなりました。 まず、運営については、本市の場合、地域の運営委員会が担っている場合が多いのですが、地域によってはその主体が保護者にならざるを得ず、指導員の確保から給料計算、施設探しまで一手に背負っており、大変な現状であるという報告でした。担当課長も実態を聞き、そこまで保護者が主体となりご苦労されているとは知らなかったと認識を示しましたが、その後、実態調査をするなり何か手だてを考えているでしょうか。明らかにしてください。市として困難を抱えた運営委員会への指導や助言はもちろん行うべきですし、実施主体はあくまでも市なのですから、指導員の求人や確保、施設探しなどは市の責任で行うべきですが、いかがでしょうか。 施設については安全対策が喫緊の課題です。先月、全国の研究集会に参加し、熊本地震での経験を聞くことができました。新学期に入って間もなくの被災でした。地震は夜だったけれど、もし昼間だったら子どもたちを守れたかどうかわからない。玄関は傾き、使用はできないし、地形が変わり、通学路もがたがたで、登下校にはまだ引率が必要です。保護者も子どもも不安定で、中には子どもだけを放課後留守番させておけないと申し込む方もいます。改めて、学童保育が安全で安心できる場所でなければならないと実感しました。しかし、金沢市の学童保育の耐震化率は77%で、88施設中およそ20の施設が耐震化できていません。耐震化率の向上のための予算をふやすことはもちろん、市が責任を持って安全な場所を探し、提供するということも必要ですが、見解を明らかにしてください。金沢市は、全国同様もともと学童保育制度がない時代から、子どもたちの放課後の生活を保障するため、地域や保護者の皆さんが協力し民設民営の学童保育をつくり上げてきました。それが地方自治体を、そして国を動かし、制度を形づくるまでに至ったのです。住民の要求から始まったことが社会の進歩に貢献するという、まさに住民自治や地方自治の大事さを物語っています。しかしながら、今日、地域の高齢化や核家族化、保護者の皆さんの労働環境の厳しさなど、政治を背景とした原因の中、民設民営のあり方が問われています。さらなる発展に向けて、子どもたちの生活と安全のために力を尽くすことが求められますが、市長のお考えを明らかにしてください。 最後に、男女共同参画の推進について伺います。 まず、性的指向・性的自認の多様性についてです。LGBTという言葉を御存じでしょうか。Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシャル、Tはトランスジェンダー、もっと包括的にSOGIとも呼ばれています。異性は異性を愛する、身体に沿った性自認が当たり前ではなく、日本では13人に1人、左利きの方と同程度と推計される、いわゆる性的マイノリティが存在します。国際的には、長い歴史や努力の結果、国連決議において、性的指向や性的自認にかかわらず人権が全ての人に平等に適用されるとしており、さまざまな人権擁護の取り組みが始まっています。日本はおくれていますけれども、2003年には性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が成立し、その翌年から一定の条件で戸籍上の性別変更が可能となりました。最近では超党派の国会議員による議員連盟がつくられています。特に大きな変化が進行しているのは地方政治です。男女共同参画の計画文書に性的マイノリティなどを明記するようになった自治体は7県、政令市では30自治体、人権施策にかかわる計画や方針への明記は、石川県を含め34都道府県に達しています。渋谷区や世田谷区を代表とするパートナーシップ条例等や、大阪淀川区のLGBT支援宣言など具体的な取り組みも行われているところです。命と人権を守り、多様性を尊重し、誰もがその人らしく生きられる社会の実現を進めるため、性的マイノリティの人たちの理解促進と対応を本市においても急ぐことが求められていますが、市長の見解を伺います。 具体的な施策について伺います。本市でも次期の男女共同参画推進行動計画改訂案に、性的指向と性同一性障害に関する理解の促進という新規施策が加わりました。大変画期的なことですし、私も応援したい思いです。今月6日からパブリックコメントが行われていますので、ぜひ当事者の皆さんはもちろん多くの方に御意見をいただくよう取り組んでいただくことを求めるとともに、これまで当事者の皆さんからいただいた具体的な提案をさせてください。 まずは、本市職員の理解促進についてです。性的マイノリティについて正しく認識し、適切な助言、指導が行えるよう職員全体の研修を行うことを求めますが、いかがでしょうか。特に、市民の窓口職員はもちろんですし、市立病院など医療関係者については、命にかかわる問題であり、相談窓口になる可能性の高い場所です。徹底して行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 2点目に、市の書類における不必要な性別欄撤廃を進めるべきです。当事者は、性別欄のある書類を提出したり受け取ったりする際には周囲の目が気になる、窓口に行くこと自体に覚悟と緊張を強いられ、ためらってしまうなど、性別欄の削除は最も望んでいることの1つと話します。投票案内はがき、期日前投票の際に記入する宣誓書、住民票、戸籍、印鑑登録の各種証明書交付申請書については性別欄がありません。しかし、市立図書館の貸出カードの申し込み用紙、印鑑登録証明書については、いまだ性別欄が残っています。しかし、それらについては200弱もの都市で削除され、図書館カードの申し込みに関しては、日本図書館協会のガイドラインの中で合理的配慮が必要と書いてあります。印鑑登録証については、高岡市、氷見市、砺波市、南砺市が既に10年以上も前に性別欄をなくしており、何ら支障はないとのことです。選挙の際の投票用紙引換券については、男女の色分けをなくしたり、記号化する自治体がふえていますが、本市はまだ記載が残っています。これらの改善を求めると同時に、この機会に外郭団体を含め各部署の書類をチェックするべきですが、いかがでしょうか。 3点目に、教育現場でも重要で対策を求めるものですが、児童・生徒への対応についてどのような取り組みが行われているのか明らかにしてください。ほかにもさまざまな分野で改善の余地があります。当事者の声を聞いて行政に取り入れていただきたいと思います。 最後に、今回の男女共同参画推進行動計画改訂案の中では、女性に対する暴力の根絶が重点施策となりました。暴力そのものの根絶もさることながら、被害に遭った方に一刻も早いケアと支援を行うことが必要です。性暴力の被害者に対し、県にワンストップセンターの開設要望が出され、検討が進められています。本市としても実現に向け積極的に県に働きかけていくお考えはないか伺い、質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○高岩勝人副議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 8番広田議員にお答えいたします。 介護保険制度のことについて何点かお尋ねがございました。 まず、基準緩和型サービスの導入についてですけれども、基準緩和型サービスは、入浴介助など身体介護の必要ない方、認知症の症状が見られない方等を対象としており、本市が事業者に対し、サービスを提供するために必要な知識を有する人員の配置を求めることで、サービスの水準は確保できているというふうに考えています。 基本チェックリストの実施でサービスの選択ができなくなるのではないかという懸念をいただきました。総合事業が導入されましても、利用者が介護認定を受ける意思を示した場合、認定申請は可能であります。また、ケアマネジメントの過程で必要なサービスが決定されるため、利用者が従前と同様にサービスの選択を行うことが可能であります。 事業者の経営に影響があるんではないか、従業員の賃金の低下が心配だという御指摘でございました。基準緩和型サービスの報酬は、先行して事業を実施している他の中核市の動向を踏まえ、配置される人員に応じ国の示す平均賃金をもとに算定し、介護サービス事業者連絡会の訪問介護及び通所介護の代表者と十分な意見交換を重ねて設定したものであります。なお、従業員の賃金についてですけれども、各事業者で決めるものでありまして、適正な賃金が支払われるよう、本市としても事業者説明会で要請しているところであります。 地域デイサービスのことについて御心配をいただきました。私も、この何年か毎年のように地域デイサービスに訪問させていただいています。責任者と私の時間が合えば、30分、40分いろんな意見をお聞きしているところであります。大変厳しい経営状況であるということも認識しています。今回新たに導入される総合事業において、これまで培ってきた介護に係るノウハウや地域住民とのつながりを生かし、基準緩和型サービスや今後導入を予定している住民主体のサービスへの参入についても検討していただければと思っています。新たなサービスについて御不明な点があれば、御相談もいただければというふうに思っています。引き続き、私もさまざまな機会を捉えて現場の御意見をお聞きし、担当部署に伝え、どういう対応ができるか考えていきたいと考えています。 今示されている総合事業について見直すべきではないか、制度改悪によるサービスBを導入すべきではないという御意見でした。本市が明年4月から導入を予定している総合事業の内容は、介護事業者や地域包括支援センター等との協議を行いながら組み立てし、加えて、各サービスにおける人員や運営に係る基準など事業者の指定基準について、現在、パブリックコメントを実施し、その結果をしっかりと見きわめたいと考えています。総合事業は、地域の実情に応じ、住民を初め多様な主体の参画によるサービスを充実することで地域の支え合い体制の構築を図り、要支援者等に対し効果的かつ効率的な支援を可能とすることを目指しています。御指摘のサービスはこの趣旨に沿った重要なサービスの1つと考えています。要介護1、2の切り捨て、自己負担3割、そういう国の改悪は市として撤回を求めるべきではないかということでした。制度改正につきましては国で議論されておりますので、引き続き、私の立場とすれば、まずはその動向を注視してまいります。 子どもの貧困対策について何点かお尋ねがございました。 児童相談所設置からこれまでの教訓としていること、そして、一人一人の職員の心構えのことについてですけれども、子どもたちの支援において、施策の推進にスピード感が求められること、また、現場に赴いてじかに子どもたちの様子を見ることが重要であると感じています。公務員としての、職員としての責任を果たすためには、御指摘いただきましたように、市民の命と健康を守るという強い意識を持ち、それぞれの専門性を高めることが必要です。一方、チームで取り組んでおりますので、部局の垣根を越えて、持てる力を最大限に発揮し、子どもたちのことを第一に支援につなげていきたいと考えています。業務量がふえている、職員の負担も大きいんではないかという御心配をいただきました。福祉や教育の分野におけるマンパワーは、御指摘のように重要だと考えています。関係部署の職員体制につきましては、引き続き充実に努めてまいります。 子どもの医療費無料化について、高校3年生まで、しかも完全無料化を目指すべきではないかという御提案もいただきました。平成26年10月に中学3年生にまでこの枠を拡大いたしました。平成27年7月に助成方法を現物支給化したところであります。さらなる年齢の拡大は今のところは考えていません。また、適正な受診のためにも一定の自己負担は必要と考えており、完全無料化することは考えていません。 放課後児童クラブのことについて何点かお尋ねがございました。 児童数が70名を超えたクラブにおきましては、子どもの快適な環境のためにも分割が進むよう、施設整備の補助を増額するなど積極的な財政支援に努めており、今年度中に2つのクラブがふえる見込みであります。今後も地域に御協力をいただきながら、地域の皆さんと一緒に受け皿拡大に努めるとともに、希望するクラブに入れなかった児童については、定期的に調査し、待機状況の把握に努めてまいります。 市が助言、指導はもちろん、指導員の確保にまで乗り出すべきではないかという御提案でした。金沢市の放課後児童クラブは、広田議員におっしゃっていただきましたように、長い歴史の中で住民主導の中で行われてきました。私は、だからこそこれだけ金沢市内に多くの児童クラブが広がってきている。そして、子どもたちや保護者にとっても、児童クラブで働く方の顔が見える。そういう安心感が金沢の児童クラブの歴史的な特色であるというふうに思っていますし、私もそれは大切にしていきたいと思っています。一部では保護者の代表が運営を担っているということも認識しているところであります。それぞれの経緯や事情もあって今の形になったということを考慮もしながら、常に連携を密にしながら、相談に乗りながら、また、市としてもでき得る限りの対応をしていくべきだというふうに考えています。事業の継続性という観点からも、クラブの運営委員会が中心となり、指導員や施設を確保し、事業を実施するように連携して取り組んでまいりたいと考えています。これからも各クラブの事業が円滑に運営できるよう、市としてもできる限りの制度充実に努めてまいります。 児童クラブの耐震化のことについて御心配をいただきました。耐震化は重要な課題だと思っています。昨年度からは施設の耐震改修に対する補助率と補助限度額を引き上げるなど、財政支援に努めてきたところであります。各クラブは地域の実情に応じさまざまな社会資源を活用して開設されたものであります。少しでも環境のよい施設に移ることができるよう、家賃補助の限度額も引き上げたところであります。これまで以上に積極的に補助制度の活用を周知していきたいというふうに思っています。児童クラブの基本的な考え方ですけれども、繰り返しになりますけれども、広田議員おっしゃっていただいたように、金沢では住民自治の中でこれまで培ってきた歴史があります。私は大切な歴史だというふうに思っています。一方、市としてもこれまで以上に積極的にかかわっていかなければいけないという思いも強くしています。これまで以上に連携を密にしながら取り組んでいきたいと考えています。 男女共同参画の推進について御指摘がございました。性的指向や性同一性障害のことについてですけれども、私は、そのことを理由に社会生活の中で苦痛を感じておられる方々に対しましては、人権尊重の観点からさまざまな配慮が必要であると思っています。人権擁護を図るため、正しい知識の普及と理解が深まるよう努めてまいります。 窓口を預かる市職員の研修のことについて御提案いただきました。新任主査研修と採用後大卒4年目等の基本研修の中で、より高い人権感覚を身につけるための人権研修を実施しており、その中で性同一性障害や性的指向など人権にかかわる問題についても啓発に努めているところであります。引き続き、しっかりと研修の中で職員の意識を高めていきたいと思っています。 図書カード、印鑑登録、投票用紙等々について、不必要な性別欄の撤廃、さらには、外郭団体を含めた全庁的な確認のことについてお尋ねがございました。本市では、人権尊重の立場から、性同一性障害の悩みを持つ方に配慮し、平成16年12月、申請書等の性別記載欄の必要性について精査し、法令等に定められている場合を除いて、市として判断できるものについては削除するなどの見直しを実施したところであります。それ以降に定められた申請書等につきましても、その方針を遵守しています。今後におきましても、これまで同様、このことに留意してまいります。御指摘の印鑑登録証明書や投票用紙引替券は、法令等の規定により記載を撤廃することは困難でありますし、また、図書館カードを作成する際の申請書につきましては、これまでもその記入を必須としておらず、御理解いただきたいというふうに思っています。 県の取り組みについてお話をいただきました。国において、被害を訴えることをちゅうちょせずに必要な相談を受けられる性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターについて、平成32年までに各都道府県に最低1カ所の設置を目標としており、このほど石川県においても来年度の設置に向けて検討を開始したとお聞きしています。本市としても県の動向を注視するとともに、女性相談支援室が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を有していることから、暴力の根絶を目指し、万が一このような相談があれば、相談者に寄り添いながら、その方の意思も尊重し適切な関係へとつなげるように支援もしてまいります。 私のほうは以上です。
○高岩勝人副議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 私のほうには2点大きなお尋ねがあったと思っております。 初めに、就学援助制度の入学準備金についてお尋ねでございました。就学援助制度における新入学学用品費の入学前支給につきましては、現在、子どもの貧困対策チームにおきまして議論を行っているところでございます。実施には予算措置も必要になりますことから、明年度の予算編成の中で検討していきたいと考えております。 次に、男女共同参画の推進につきまして、学校現場でどのような取り組みをしているのかとのお尋ねでございました。文部科学省からの性同一性障害に係る児童・生徒に対するきめ細かな対応の実施等についての通知を受けて、人権教育推進会議を開催し、その対応について各学校の担当者に周知したところでございます。また、各学校におきましては、性同一性障害に関する理解を深めるために校内研修会を開催しております。今後とも、人権教育の充実に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○高岩勝人副議長 太村
市立病院事務局長。
◎太村正信
市立病院事務局長 性的指向等に関する市立病院での研修を徹底すべきとのことでした。市立病院では、これまでも患者さんの人格の尊重を基本方針とし、配慮や注意すべきことなど幅広くお聞きし、診察や治療に支障のない範囲で最大限応えています。今後とも、患者さん一人一人の視点に立った丁寧な診療や接遇を行うよう、御指摘の性的指向等のテーマも取り上げるなど、病院内研修等の充実に努めてまいります。 以上でございます。 〔「議長、8番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○高岩勝人副議長 8番広田美代議員。
◆広田美代議員 時間がないので答弁まで回らなかったら申しわけありません。 まず、総合事業の件ですけれども、B型への移行については否定しなかった。進めていくというお答えでした。私は、市民協働やボランティアを否定するものではありませんし、善隣館の中に集っている地域の皆さんのことも大変重要な役割だと思っています。だけども、地域デイサービスの説明会の中でも議論になりましたけれども、あくまでもボランティアさん、NPOは、プラスアルファとして、より介護を豊かにするために利用するものであり、総合事業で示しているボランティアなどの利用は、現在、公的な責任のもとで専門の資格を持った人が行っていることを、専門とか質の保障とか度外視で全部丸投げするという大変乱暴なやり方だと現場から、介護専門家から反対の声が上がっている状況です。地方自治体は市民の命と生活を守るために、そうした規制緩和を食いとめるということも必要です。その責任を放棄する立場をとることは許されないと思いますし、その点からやはりサービスBへの移行は進めないよう再度求めておきたいと思います。 もう1つ、学童保育につきましては、補助率、補助制度を拡充されたということはわかっておりますけれども、それでもお金の計算をすると予算が足りない。保護者は仕事が忙しくて、片手間に施設を探すということが困難だからこそ、仕事でやっていらっしゃる市の職員の皆さんにお願いしたいということですので、ぜひまたお声を聞いて……
○高岩勝人副議長 時間が超過しております。広田美代議員におかれては速やかに終了してください。
◆広田美代議員 終わります。
○高岩勝人副議長 10番前誠一議員。 〔10番前 誠一議員登壇〕(拍手)
◆前誠一議員 質問の機会をいただきましたので、以下数点にわたって質問させていただきます。 今、日本列島は地震の本格的活動期に入ったのではないかといわれております。平成7年の阪神・淡路大震災、平成23年-5年前の東日本大震災、そして、その間も主なものとして平成19年の新潟県中越沖地震、能登半島地震、そして、ことしに入っては熊本地震、鳥取県中部地震、そして、つい最近、太平洋側に津波も発生しました福島県沖地震など、次々と発生しております。 そこで、我が金沢市ではどうでしょうか。地震や災害は少ない地域だといわれていますが、誰もが知っている森本・富樫断層があります。名前は知っているのに詳しいことは余り知りません。金沢市のホームページでは液状化危険度が発表されていますが、一般的にはまだまだ知られていないのではないでしょうか。この断層は、今の日本では発生の可能性が高い部類の断層だといわれております。向こう30年の間にマグニチュード7.2規模の地震が最大8%の確率で発生すると発表されております。この確率は大変高い数値であります。巨大地震南海トラフの発生確率はほぼ100%であります。その地域とは危機感の度合いこそ違え、全く私たちは安心してよいわけではないと思います。確率という例を挙げれば、65歳以上で寝たきりになる確率は10%です。また、皆さんも多分買われたんじゃないかと思いますが宝くじ6等300円の確率は10%でございます。でありますから、地震8%の確率は非常に高いものと思います。私たち金沢市民は、この断層についてもっと詳しく知っておく必要があると思います。長さは津幡町から金沢市の東南地区を通って白山市鶴来町に至る26キロメートルにわたっております。その断層は東から西側へ乗り上げる逆断層だといわれております。断層詳細図の作成について、当局のお考えをお伺いいたします。 そんな災害について考えるときに、先日、金沢市PTA連絡協議会の森本・医王山地区の小中学校で構成されている第1ブロックでは、3年前から交流しているあの奇跡の一本松のある岩手県陸前高田市から東日本大震災を経験されたお2人をお招きし、その体験談と夏と秋に陸前高田市を訪れた子どもたちの報告会が行われるとお聞きし参加してきました。陸前高田市からは、当時第一中学校のPTA会長をされていて、現在は陸前高田市の市議会議員である鵜浦さん、もうお1人は、当時中学3年生であった村上さんのお2人が金沢へ訪問され、不動寺小学校と森本小学校で被災当時のお話を子どもたちにしていただきました。村上さんは、被災したときはちょうど卒業式の練習をしていたときだったそうです。第1次避難所で海底が見えるような引き潮を見て、先生が逃げろと指示を出して、さらに高い位置へ避難したそうです。山道の道なき道を必死で登ったとのことでした。その後、高台の避難場所からまちを望むと、豊かなまち並みが次々に波にのまれていく様子が轟音とともに目に入り、先生がこれ以上見るなということで、後ろを向いて震えていたとのことでした。音だけが耳に響いたそうです。村上さんはその後2週間家族と連絡もとれず、迎えも来なくて大変寂しく怖い思いをされたそうです。鵜浦さんからは、当時新聞記者だったので自宅の前で翌日撮った写真が紹介されました。拡大したら多くの遺体が写っていたそうです。5年たった今だからこそようやく人前で話すことができるようになったと貴重なお話を聞くことができました。私も震災後3回ほど現地を視察させていただきましたが、今回、震災発生時の被害者のお話を聞いて、5年前の災害を身近な生活者としての相照らすものがあったわけであります。その話の中で一番印象に残った言葉があります。災害は忘れたころにやってくるという言葉は私たち誰もが知っている言葉です。しかし、陸前高田市では、その言葉は今、災害は決して忘れず、災害は必ずやってくるという言葉に変わったそうです。今、金沢市では津波ハザードマップ、土砂災害マップなどが出ております。地震を知り、理解することにより少しでも被害を少なくするために、断層詳細図や地震災害予想図など、市民に今以上に詳しく知ってもらうようなものを出してはどうでしょうか。 ことしの初め、都市間交流で岡崎市を訪問し、防災対策について話を聞いてきました。岡崎市は金沢市よりはるかに大規模であろうといわれる南海トラフ地震が予想されています。そのときの被害発生予測を市民に知ってもらうとのことでした。金沢市でも、決して市民の不安をあおる必要はありませんが、今現在わかっている事実はきちんと伝えることが大切だと思います。その上で地域の自主防災や市民各自の備えができるのだと思います。森本・富樫断層の名前は知っていても、自分だけは大丈夫、安全だという不思議な自信を持つともいわれております。想定外などという言葉に逃げる前に、きちんと想定してみる必要があるのではないでしょうか。全国で起きている地震災害は、どれも同じ被災状況などないかもしれませんが、教訓を生かすことは非常に大切です。自然災害は起きることを防ぐことはできませんが、被害を減らすことや、助かる命を、また、助かった命を大切にするためにも何を備えるか、金沢市としての施策が必要であると思いますが、その対策について当局にお伺いいたします。 次に、同じく災害で使われている同報防災無線についてお尋ねいたします。 現在、拡声器局設置が201基、中山間地向けの戸別受信機が419台設置されているとお聞きしております。まず、拡声器局1基当たりの建設費用についてお尋ねいたします。 私の町会は山の近くであります。この防災無線が小学校に設置されていますが、日ごろはもとより、さきの11月29日、全国一斉の訓練放送が実施されましたが、全く聞こえなかったとのことでして、私の不動寺地区では、はっきりと聞こえた町会は少なかったようです。各設置地域では何メートル先ではどのぐらい聞こえるのか、内容が判断できたのか、室内にいるときは、車に乗っているときはなど、いろんな形で確認すべきであると思います。そして、現在、私の町会を含め難聴地区はどれぐらいあるのか。また、これらの地区に対して今後どのような対策をとっていくのか当局にお尋ねいたします。 また、この無線を他都市では、災害ばかりではなく、警察等との協議で行方不明者に関することや不審者、通り魔、振り込め詐欺に関すること、選挙の投票呼びかけなど幅広く活用されていますが、金沢市では災害以外にどのように使っているのか、また、あわせて、年間何回ほど放送しているのかお尋ねいたします。また、この防災無線の費用対効果を考えると、さらに使用頻度を上げて有効に活用していくことが必要であると思います。当局の御見解をお尋ねいたします。 次に、災害時の避難場所についてお伺いいたします。 先般の10月5日、瞬間風速が過去最大であった風速43.4メートルの台風18号のときのことについてお尋ねいたします。夜9時半過ぎ、私の隣の町会長から、以前から心配していた裏山の大きな木が倒れ、1軒の大屋根を潰し、隣の家の屋根も一部分被害があったとの連絡を受けました。すぐに現地へ駆けつけました。このとき市内各地では風によるさまざまな被害が出ているとのことで、消防局や各分団の出動が100件ほどあったそうです。この時間はまだ強風が吹いていて、連続しての倒木のおそれがありましたので、当該の町会長と相談して、町会の集会所へ3世帯7名の方に一晩避難していただく判断をいたしました。このとき金沢市より避難指示は出ていませんでした。夜10時を過ぎていましたが、私は消防局と危機管理課へその旨の報告をいたしました。土木局から直ちに担当者がお2人駆けつけていただきまして、現地の確認を行い、そして、風も大分おさまったということで11時過ぎに帰っていただきました。大きな災害で地区の自主防災会の指導のもとで避難する災害の確認のマニュアルはありますが、今回のように災害の規模も限られ、町会に集会所もありましたのでスムーズに避難することができましたが、このような一部の地区だけの災害での避難の連絡先や対処の方法のマニュアルは用意できているのかどうかお尋ねいたします。ことしの熊本地震でも、公的な避難場所より自主避難した場所が多いとの報道がありました。今後は金沢市でも自主避難場所をさらに細かく設定していく必要があると思います。さきに述べた森本・富樫断層の地震が発生したとき、熊本地震のときに見られた自主避難所についてどのように考えているかお示しください。また、これらについて当局の考えをお示しいただきたいと思います。 次に、中学校等における部活動の引率状況についてお伺いいたします。 去る10月8日早朝、のと里山海道においてワゴン車とマイクロバスの正面衝突により中学生2名が亡くなられた事故は大変痛ましいものでした。奥能登の珠洲市の中学校が野球大会参加のため金沢市へ来る途中の事故でした。センターラインを割ったワゴン車のほうも、子どものテニス大会のために能登のほうへ行く途中とのことでした。マイクロバスは行政の所有で、父兄が運転されていたということでした。それを聞いて、18年前私が息子の中学校の父母会の役員をしていたころのことを思い出しました。それまであった古いマイクロバスでは、これ以上車検が通らないということで、中古でしたがマイクロバスを購入し、練習試合や大会等へ行くために使用していました。その当時は顧問の先生に運転をお願いしていましたが、現在、市内の中学校で父母会などの名義でマイクロバスを所有している学校はありますか。もしあるとすれば、その保険や運用手引きがあるのか、また、当局が把握しているのかお伺いいたします。 また、ほかに各種大会や練習試合では会場までの交通手段をどのようにしているのでしょうか。自転車や公共のバス、家族の方々による送迎もあると思いますが、その実態を金沢市では把握し指導しているのかお尋ねいたします。また、石川県の教育委員会では、部活動には引率マニュアルがあり、これに基づいて引率されているそうですが、金沢市にはこれらのマニュアルはないとお聞きしております。今後の引率マニュアルの作成についてお伺いいたします。子どもたちが健全に部活動に励めるような環境整備として、悲惨な事故を起こさないために当局の御指導をよろしくお願いいたします。 次に、食文化についてお尋ねいたします。というよりも御提案させていただきたいと思います。 現在、金沢市を対外的にアピールする言葉、キャッチフレーズとして、「いいね金沢」が約20年前からさまざまなパンフレット等に活用されています。農産物加賀野菜の段ボール箱やレシピカードにも記載されております。最初この言葉が出てきたときには、なんかほんわりしていい言葉やなと思っておりました。そして、今や市民体操や盆踊りにまで発展しております。さらに、昨年の新幹線開業以来いろんな言葉が出てきております。「ちょっと、金沢まで。」や「五感にごちそうかなざわ」、また、「金沢に来るなら春か夏か秋か冬がいいと思います」など、金沢をアピールするキャッチフレーズとしては大変すばらしいものだと思います。平成25年に我々議員でつくった条例、金沢の食文化の継承及び振興に関する条例が可決され3年経過いたしました。この間、加賀野菜の講演会や金沢まるごと大試食会を開催し、食材と文化をコラボし、いろんなところでアピールされております。また、ことしも食文化大会において、第1部の講演会として「食と農をつなぐ加賀野菜」を初め、フードライターとして加賀野菜を通じて金沢を元気にするためさまざまな活動をしているつぐまたかこさんの講演を聞きました。その中に他の都市にはない真新しい言葉があったわけでございます。それは、「食文化の都、金沢」というフレーズです。私も議員になってから多くの地区や都市へ視察に行っていますが、食材と文化がこれほどマッチした都市はないと感じました。それだからこそ食文化条例ができたのではないかと思います。また、直近で発売された週刊誌「女性自身」の記事で、食文化が全国134都市の中で一番豊かなまちとして第1位にランクされた記事が載っていました。大変すばらしく、うれしいことだと思います。自他ともに認める食文化のまち金沢を、今後は先ほどのキャッチフレーズとともに、「いいね金沢、食文化の都」としてパンフレットや包装紙等に印刷し売り出せば、より強くアピールできると思いますが、当局のお考えをお伺いいたします。 次に、鳥獣害、イノシシについてお伺いいたします。 私は、質問の都度、中山間地のイノシシや熊の対策について質問させていただきました。これまで少しずつではありますが対策を講じていただいております。地元の小学校やグラウンドゴルフ場の周囲にイノシシ、熊等の防護柵が設置され、今やお年寄りや子どもたちが安全に過ごせるようになりました。本当にありがとうございました。そこで、去る11月1日、私の地元の三谷地区でイノシシの解体処理ができるジビエ工房三谷の発会式がありました。この施設は、保健所の許可、関係当局からの指導もいただき設立の運びとなったわけでございます。また、処理した肉は販売もできることになりました。この施設は、県内で白山市、七尾市、羽咋市に次いで4番目の施設です。白山市、羽咋市の2つの施設は行政が主導しつくられた施設ですが、このジビ工房三谷は地元の有志の方々が一致協力してつくった施設です。先般の新聞で羽咋市の施設では全体で200頭を超えたとの報道がありましたが、この三谷地区だけで4月からきょうまで300頭を超える数となっております。そこで、施設ができたからには、ぜひとも地域の活性化のためにも、そして、この施設を中心に全体が頑張っていただきたいと思います。今後の運営やPR等の課題が山積していますが、今後の金沢市当局としてのかかわり方や指導についてお示しいただきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○高岩勝人副議長 山野市長。 〔山野之義市長登壇〕
◎山野之義市長 10番前議員にお答えいたします。 森本・富樫断層のことについてですけれども、詳細図ですが、国が空中写真判読などの各種調査を行い、断層図など詳細な情報を国土地理院などのホームページにて紹介していますので、まずはこの活用を促していきたいというふうに思っています。被害予想マップなどが必要ではないかということです。本市では、各種出前講座などにおいて森本・富樫断層帯による直下型地震の危険度や人的被害、建物被害などの被害想定について紹介しているところであります。今後、既存資料の見直しを行う際、森本・富樫断層帯について記載することを検討させていただければと思っています。 災害を減らすために備えるべき施策はどんなことがあるのかということでした。災害による被害を減らすためには、自助と共助の意識を市民みずから高めることが何より大切であると考えています。防災訓練や防災出前講座などを通じ、市民の防災意識啓発に一層取り組んでまいります。また、災害対策本部としての機能を高めるため、
危機管理センターの整備を目指すとともに、他自治体等との連携、協力体制の強化に努めてまいります。 同報防災無線がなかなか聞こえない地域があるという御指摘でした。現在、市内に同報防災無線の拡声子局-親局に対する拡声子局は201カ所設置してあります。昨年度までに同報防災無線の電波が届きにくい山間地の難聴地区158町会全てに電光情報表示システムを整備し、防災情報を伝達しているところであります。また、同報防災無線の内容を確認できる緊急情報電話サービスを実施するとともに、金沢ぼうさいドットコムによるメールサービスにより、同報防災無線を補完する情報伝達手段を整えてきているところであります。ただ、御指摘の地区を含め、聞き取りにくい地区が確認されれば、電光情報表示システムの追加整備等を検討していきたいと考えています。 局地的な災害についての避難ですけれども、住民が危険を感じるような局地的な災害に対しましては、自主的に避難していただいているところであります。局地的で小規模な災害につきましては、その状況を十分把握するのになかなか時間がかかるということもありますので、避難先などの必要な情報は自主防災組織等から提供をしていただいているところであります。ただ、自主避難所に対しましてはマニュアルがありませんので、指定避難所のマニュアルを準用することとしていますが、熊本地震の教訓も踏まえ、自主避難所にも適用できるように避難所運営マニュアルの充実に向けて検討してまいります。 〔副議長退席、議長着席〕 食文化、「いいね金沢、食文化の都」、このキャッチフレーズがいいんではないかという御提案もいただきました。御指摘ありましたように、民間調査機関により、金沢は食文化の豊かなまちとして全国第1位の評価を受けたことは私も知っているところであります。御提案の食文化の都、まさに私も同じ思いであります。現在、金沢の食文化推進委員会が決定した「五感にごちそうかなざわ」をスローガンとして、私もそうですけれども、名刺や、また、もてなしドームのタペストリーなどで発信しているところであります。いずれも食文化が高い評価を得たことは大変ありがたいことでありまして、関係団体とも連携しながら、その魅力の発信を続けてまいりたいというふうに思っています。この「五感にごちそうかなざわ」というスローガンを広げることに努めることによって、食文化の都、そのことも広がっていくのではないかというふうに期待しています。 ジビエ工房のことについてですけれども、三谷地区でジビエ工房が運営を開始したことは、イノシシによる被害の軽減だけでなく、地域資源の有効活用や地域おこしにつながる取り組みとして注目しているところであります。今般、鳥獣被害防止特別措置法が一部改正され、ジビエの食品としての利用促進が明記されたことから、市としても衛生面や安全面に関する指導、助言のほか、支援のあり方を検討させていただければというふうに思っています。 私のほうからは以上です。
○
福田太郎議長 中川危機管理監。
◎中川富喜危機管理監 同報防災無線について何点かお尋ねがございました。 まず、整備費用についてでございます。昨年度、新たに2カ所で同報防災無線を整備しておりまして、その費用は1基当たり約690万円となっております。 次に、災害以外にどのように活用しているのか、また、年間何回放送しているのかお尋ねがございました。同報防災無線は、災害被害の未然防止や軽減に向けまして、各種気象情報や土砂災害警戒情報、各種避難情報を放送しております。災害情報以外では、PM2.5、光化学オキシダントのほか、熊の出没の注意喚起を行っているところでございます。今年度の放送回数は、気象警報など12回でございました。 同報防災無線の有効活用に向けまして、災害以外の緊急放送につきましては、他都市の事例を参考にしながら関係機関とも協議し、今後研究してまいりたいと考えております。 以上です。
○
福田太郎議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 中学校の部活動につきまして、会場までの移動手段と引率マニュアルの2点についてお尋ねがございました。 初めに、市内の中学校でマイクロバスを所有している学校と保険や運用の手引きについて把握しているかということでございますが、現在、保護者会が所有しているマイクロバスのある学校は2校でございます。教育委員会では、両校のマイクロバスの保険の加入状況や運用方法について把握、指導しておりまして、今後とも適切に運用されるように努めてまいりたいと考えております。 次に、各種大会や練習試合における会場までの交通手段とその指導についてでございますけれども、まず、会場までの移動につきましては、公共交通機関もしくは貸切バスなどの利用のほか、自転車、保護者会等が所有するマイクロバス、保護者の送迎などによって行っております。大会や練習試合も含め、全ての競技における交通手段につきましては、あらかじめ顧問から校長に対し届け出ることになっておりまして、先般の事故の発生を受けて、改めて通知文を出し指導したところでございます。 次に、引率マニュアルについても御質問がございました。まず、県教育委員会が作成しております引率マニュアルにつきましては、教員が自家用車等を利用して生徒を引率することを想定して作成されている要綱でございます。本市では、教員が運転する自家用車等に生徒を同乗させることは認めていないことから、引率マニュアルを作成することは考えておりませんが、通知文の徹底を図るなど、引き続き生徒の安全確保に全力を注いでまいりたいと考えております。 以上でございます。 〔「議長、10番、再質問」と呼ぶ者あり〕
○
福田太郎議長 10番前誠一議員。
◆前誠一議員 ありがとうございます。 今ほど同報防災無線について、年12回、昨年度建設費が1基当たり690万円ということでありました。そしてまた、柔軟な対応として、もう他都市では先ほど言いましたようにいろんな形で利用されております。研究されるということでございますが、やっぱり費用対効果を考えると、たった12回、そしてこれを阻害する原因が何かあるのかどうか、あったらちょっと教えていただきたいと思います。
○
福田太郎議長 中川危機管理監。
◎中川富喜危機管理監 同報防災無線につきましては、市民に危害が及ぶような非常に危険度の高いものについて放送するということにしておりまして、何でもかんでもというわけにはいかないということでございます。いざというときに素早くその放送を聞いていただいて避難なりの行動をとっていただくということでございますので、緊急事態に対して備えてあるということで、その利用の仕方については、先ほど申しましたように、各いろんな他都市の状況なんかを研究して、今後、金沢市に適用していきたいというふうに考えております。
○
福田太郎議長 37番田中展郎議員。 〔37番田中展郎議員質問者席へ移動〕(拍手)
◆田中展郎議員
自由民主党金沢市議員会の田中展郎です。一般質問、最後の質問者ということで、かぶるところもありますけれども、よろしくお願いいたします。 最初に、市長の欧州訪問と
東京オリンピック事前合宿誘致についてお伺いいたします。 市長は10月にフランス、イタリア、ベルギーを訪問しました。フランスでは姉妹都市のナンシー市、パリ市、イタリアではミラノ市、ベルギーでは姉妹都市ゲント市と、姉妹都市交流や文化交流、さらには、今回訪問の最重点目標である2020年
東京オリンピックへのフランス水泳チームの事前合宿誘致と大変ハードな訪問だったと思いますが、今回の成果をお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 私は、今回のヨーロッパ訪問前に自分でミッション-目的は4つあるというふうに思っていました。1つは、ユネスコ本部におきまして発言の機会を与えていただいておりましたので、金沢の創造都市としての取り組み、そして、これからどういう取り組みをしていくのかということをきちんと伝えること、また関係都市との連携についての可能性も探ってきたかったということが1つ。もう1つは、フランスの水泳連盟、実はこの後、ウエイトリフティング連盟にも訪問しましたけれども、まずはフランスの水泳連盟と
東京オリンピック・
パラリンピックの事前合宿に関する覚書書を締結したいということ。3つ目に、姉妹都市はベルギーのゲント市、そしてフランスのナンシー市との交流、さらには、創造都市でもありますパリ市に隣接しているアンギャンレバン市との、これまでのこともそうですけれども、これからの交流のことについての意思の確認。そして、4つ目には、パリ市及びミラノ市において本物の金沢の文化を発信し、金沢への誘客につなげていく。その4つのミッションを私なりに胸に刻んで行ってきました。おおむね達成できたのではないかというふうに思っています。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 今ほど話されましたが、市長のトップセールスで精力的に回っていただき、大きな成果があったと私は評価いたしております。 中でも今回の成果の一番は、何といってもフランス水泳連盟の代表チームが
東京オリンピックの事前合宿を金沢で行うことを前向きに検討するとの、今、市長からもお話ありましたけれども、覚書を同連盟と締結したことではないでしょうか。内容は、競泳、飛び込み、水球など水泳連盟が希望する全ての競技で合宿を検討するとのことであり、年明けに連盟の幹部に金沢プールを視察してもらうとのことであります。ぜひ実現してもらいたいと思いますが、合宿期間を含めた今後のスケジュール等についてお伺いいたします。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 一般論になりますけれども、大会開催地の気候であったりとか風土に慣れる意味合いから、大会の1年前から1カ月前にかけて実施されることが一般的だというふうにお聞きしています。期間は2週間程度が多いというふうにお聞きしています。ただ、先ほどおっしゃっていただいたように年明け早々にフランスの水泳連盟の役員の方が金沢プールにお越しいただきます。そして、実は来年からジュニアのチームを派遣したいというお言葉をいただいていますので、そのことについてももう少し、来年の1月に内容を詰めていきたいというふうに思っています。そして、ジュニアのチームから始まって、シニアのチームもオリンピックの前に何度かお越しいただく中で、どういう形で対応するのがいいのかということも実体験していただきながら、我々も可能な限りのバックアップをしながら詰めていくことになるかというふうに思っています。 以上です。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 来年はジュニアのチームが、ということで、ジュニアのチームの準備も万全を期してやっていただきたい。本番はシニアのチームですから、できるだけ早く事前合宿の情報をつかんで、そして準備万端で行ってほしいと思います。必ず事前合宿が実現するようにお願いしたいと思います。 金沢プールは来年4月にオープンします。市民の憩いや健康の場として水泳を楽しんで、水泳熱も高めてほしいと思います。また、各種大会を開催したり、今回のようにスイマーの練習場や合宿用にも利用していただきたいと思います。先日、競泳の小堀勇氣選手や飛び込みの中川真依選手が見学したとき、プールや飛び込み台など施設を絶賛していました。ただ、オリンピックに向けての一流選手の合宿用となると、プール施設だけではなく、私はいささか課題があるかなと思っております。例えば、トレーニング施設や宿泊施設の確保、それから食事の問題、移動手段等が考えられます。まだほかにも課題があると思いますが、これらの問題をどう克服していくかお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 プールそのものについての課題は、御指摘いただきましたトレーニングルームのことだけだというふうに思っています。そのほかのことにつきましては、日本水泳連盟を初め、当然フランス水泳連盟の皆さんにもいろいろ図面等々見ていただきまして御理解いただきました。トレーニングのことにつきましては、期間中も含めて、器具のリース等により、いろんな会議室を使うなり、そこは少し工夫をしながらやっていかなければいけないというふうに思っています。実際にプールを見ていただいて、どのスペースにトレーニングの器具を置いたらいいかということも、また直接意見をお聞きしたいというふうに思っています。 宿泊施設につきましては、駅とプールは直線距離で2.2キロメートル、車で10分余りのところでもありますので、駅近辺のホテルを御利用いただけるんではないかというふうに思っています。ただ、来年ジュニアのチームというふうにおっしゃっていただいていますけれども、ジュニアのチームに関しましては、ホテルという選択肢もあるけれども、先方の表現をそのままおかりしますと、大学の合宿所のようなところがあれば少しでも経費を抑えられるという御意見もおっしゃっておられました。まずはお越しいただいて、ホテルであったりだとかさまざまな施設をごらんいただいて、相談させていただければというふうに思っています。食事のことについても、ホテルはもちろんそうですけれども、それ以外も今見ていただく中でどんな対応ができるか。いずれせよしっかりと対応しなければいけないというふうに思っています。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 ありがとうございます。やっぱりトレーニング施設はしっかりしないといけないなと。オリンピック選手が来るんですから、本当にしっかりしたトレーニング施設を、私はトレーニング器具だけで果たしていいかなと、そんな思いもありますので、そこら辺は準備していただきたいと思います。 10月に文化振興・スポーツ振興特別委員会で東京の味の素ナショナルトレーニングセンターを視察してきました。レスリング、体操、卓球の練習場やテニスコートなどを見て回りましたが、ここでメダリストやオリンピック選手が練習したと思うと大変感動しました。また、宿泊施設や食堂、これは実際選手が食べている食事を私たちも食べさせていただきました。食堂を見学したり、強化選手の子どもたちの練習-卓球をやっていましたけれども、それも見ることができました。ここから将来のメダリストやオリンピック選手が育つと思うと、金沢にもこんなトレーニングセンターがあればと思ったのは私だけではないと思います。今後の城北市民運動公園整備計画にトレーニングセンター設置の構想を期待したいと思いますが、御見解をお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 味の素ナショナルトレセンは、日本の最高水準のセンターだというふうにお聞きしています。実は私はまだ行ったことはありませんけれども、そういうお話をよく聞くところであります。本市における同様のトレーニングセンターですが、同レベルのものはともかくとしまして、その必要性というものがあるかどうかも含めて、まずは研究からさせていただければというふうに思っています。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 ところで、来年4月にオープンする金沢プールの指定管理者候補として、日本水泳振興会を代表とする金沢プール共同事業体を選んだとのことですが、選定の理由と指定管理者に期待することをお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 今回選定した団体にありましては、利用サービスの向上や施設の利用促進に係る多彩な提案のほか、全国大会開催時の運営支援などについて豊富なノウハウと専門性を生かした具体的な提案がなされ、総合的にすぐれているものというふうに評価させていただきました。選定された管理者には、市民から愛される施設として日本水泳連盟国際公認プールにふさわしい管理運営を期待したいというふうに思っていますし、第一に、市民の皆さんに使い勝手がいい運営を期待したいというふうに思っています。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 自信を持って選んだということなので、指定管理者にはしっかりした役割を果たすように期待したいと思います。 最後に、4月オープンについて、金沢プールの日程が決まっているのでしょうか。また、どのようなオープニングイベントを現時点でお考えでしょうか、お聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 金沢プールの供用開始日は、市、県の水泳協会の皆さんとも協議させていただきまして、平成29年4月9日、日曜日を予定させていただければと思っています。当日は、日本水泳連盟の協力をいただきながら、ゲストスイマーによる泳ぎ初め、また、飛び込みの演技披露、市民への無料開放などを予定しているところであります。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 今初めて4月9日と聞かせていただきました。内容も含めて、市民も大変楽しみにしていると思います。できることならオリンピック選手を招いて、すばらしいオープニングイベントを期待したいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、次に移ります。次に、東京国立近代美術館工芸館の移転と兼六園周辺文化の森についてお伺いいたします。 10月に県内移転の方針が決まった東京国立近代美術館工芸館を視察してまいりました。建物は明治洋風レンガづくり建築で、旧陸軍近衛師団の司令部庁舎を改修して使われており、ゴシック風赤レンガの質素な外観は大変立派でありました。館内の展示作品も私は見てきましたけれども、日本を代表する作品が多く、中には石川県出身の松田権六氏、吉田幸央氏、それから、美大前学長の久世建二氏の作品がありました。石川工芸のレベルの高さを示すとともに、今から移転が楽しみであります。移転整備に向けてはこれから本格的に進めなければならないと思いますが、市長の思いをお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 このたびの国立工芸館の移転は、地方創生の一環として政府関係機関を地方へ移転するという趣旨からも何としても成功させなければなりません。引き続き、県としっかりと連携しながら国等と協議を進めてまいります。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 国と県と本当に連携して進めなければならない大事業だなと私も思います。 工芸館は県立美術館と歴史博物館に挟まれた場所を移転先に想定されており、建物は兼六園周辺文化の森にある旧陸軍の第九師団司令部庁舎や金沢偕行社の外観を取り入れる案が出ています。私も実際見てきましたが、2棟とも明治期に建てられた洋風建築物であり、活用するのはちょっと狭いかなと思うのですけれども、趣があっておもしろいと思っております。問題は、建物だけではなく、3,682点ある所蔵品の中の移転作品の選定-知事は所蔵作品の半数以上を移転することで国と合意しているということを話していますけれども、それから、貴重な工芸品を保管する収蔵庫の設置、職員や学芸員の採用等、今後、課題が多いと思われます。市のほうでも、今回、国立工芸館移転準備推進プロジェクトチームを新設したとのことですが、課題解決に向けての役割をお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 庁内関係機関で構成します本プロジェクトチームは、工芸館の移転に向けて、その趣旨を踏まえた名称、展示内容等について本市のブランド力向上の観点から検討するとともに、移転に向けた機運醸成の取り組みを企画、検討するために設置したものであります。本チームのアドバイザーでもあります金沢卯辰山工芸工房の川本館長、金沢美術工芸大学の山崎先生からの御指導や御助言を受けつつ、移転に向けた準備をしっかりとしてまいります。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 スムーズに移転が進むよう、ぜひともプロジェクトチームの活躍に期待したいと思います。 ところで、先日、金沢開発協議会の政府・与党への要望の懇談会で、馳浩衆議院議員が、移転した金沢美術工芸大学地内に近代美術館工芸館の収蔵庫を整備する案を検討するよう出ていました。実際、美大の中に設置するのは私も難しいと思いますが、収蔵庫はどこかにやっぱりつくらなければならないかなと、そんな思いでいっぱいです。収蔵庫の確保は検討しなければなりません。収蔵庫に対してどのように考えているのかお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 工芸館の移転につきましては、国との協議の中で、現工芸館と同規模程度の施設を本多の森公園内に整備することとしています。収蔵庫についても、この予定地で建設する施設の中に整備することとしています。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 本多の森に建設すると。馳議員は、現在の所蔵作品を収蔵するのには2,000平米が必要だと言っていました。ただ、所蔵作品はほかにもあって、出ていない作品を加えると倍の4,000平米要るのではないかなと、そんな話もしていましたので、収蔵庫に対しては、確かな立派な収蔵庫を私は確保しなければならないかなとの思いでいます。何といっても国立という名がつく美術館ですから。私は上野にある国立西洋美術館や東京国立博物館を見てきました。本当に全国から、世界からたくさんの方が訪れている美術館でありますので、ぜひ工芸館にもそういう意味で金沢に全国から、世界から来ていただけるような、そんなものにしていただきたいと思います。 話は変わりますが、今も話しましたけれども、私は上野公園に行くのが大好きです。なぜかというと、上野には先ほど話したように世界文化遺産に登録された国立西洋美術館を初めとして、東京文化会館、東京国立博物館、国立科学博物館、東京都美術館など多くの文化施設が集積し、加えて、子どもから大人まで楽しめる恩賜上野動物園や不忍池等もあります。また、公園の中には、あちこちでわかりやすい公園案内図や施設の催し物案内看板などが見受けられます。まさに、文化の杜を中心とした都民の憩いの場であり、上野に行けば誰もが一日楽しめる、そんな場所であります。金沢にも兼六園周辺文化の森があります。金沢21世紀美術館、県立美術館、県立歴史博物館や鈴木大拙館、さらには兼六園や金沢城公園、加えて、今回移設する東京国立近代美術館工芸館等、材料はたくさんあります。上野の文化の杜に決して負けていると私は思っていませんが、しかし、市民がいまいち盛り上がっていないように思えてなりません。兼六園周辺にも工夫や仕掛けがもう少し必要ではないかと思われます。例えば、上野のように公園案内図や催し物案内看板などを設置し、それぞれの施設が連携して楽しめるようにしたらどうかと思いますが、御見解をお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 田中議員に今ほどお話しいただきましたように、歴史博物館、県立美術館を中心として、県のほうでは兼六園周辺文化の森ゾーンというふうにおっしゃっておられます。また、金沢市といたしましても、鈴木大拙館や中村記念美術館、そしてそのエリアとして本多町歴史文化ゾーンは、ともに石川県民、金沢市民にとって大切な地域で、金沢らしさ、石川らしさが本当に残っている地域でありますし、また、県の施設、市の施設もたくさんありますので、これまでもさまざまな連携を行ってきました。文化施設マップや催し物ガイドを共同で発行するなど行ってきましたが、工芸館の移転を見据えて、さらなる連携が求められてくるというふうに思っていますので、御提案いただきました点も含めて今後しっかりと検討させていただければと思います。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 兼六園周辺文化の森の文化施設マップや催し物ガイド、私もあるのは知っています。施設へ行くとそこにあるんですけれども、そこへ行かないとわからないという状況ですので、できれば行かなくてもわかるような、そんな工夫をしていただければなと思っています。 それでは、次に移ります。中学校部活動の移動手段について、今ほど前議員からも質問があり、ちょっと重複しますけれども、お伺いいたします。10月8日、七尾市ののと里山海道で珠洲市緑丘中学校野球部のマイクロバスとワゴン車が追突し、19人が死傷した事故がありました。石川県野球協会会長旗争奪中学校軟式野球選手権大会に向かう途中の事故で、2人の生徒が亡くなられました。大変痛ましく哀しい出来事であります。亡くなられた2人の生徒に心からお悔やみを申し上げますとともに、二度とこのような事故が起こらないように万全を期していかなければなりません。のと里山海道の対面通行区間では、この後も死傷事故が相次ぎ、石川県のほうで安全対策に取り組んでいますが、一日も早い4車線化を求めたいと思っております。そこで、まず中学校の部活動の移動手段について何点か質問いたします。 まず、中学校の部活動において、顧問の先生のほかに日々の練習の指導や生徒たちの競技力アップのために地域の方々にも外部指導者をお願いしていると聞いておりますが、本市中学校部活動において外部指導者の活用状況はどのようになっているのかお伺いいたします。
○
福田太郎議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 今年度、全ての市立中学校におきまして、延べになりますが152名の外部指導者に御協力をいただいております。外部指導者の導入によりまして、生徒の競技力が高まった、また、顧問の負担が減少したなどの評価が得られております。 以上でございます。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 152名、案外多いということで理解させていただきました。 先般の事故では、大会に向かう途中、それも保護者の方が運転していたと聞いています。本市の中学生が大会に参加するときの移動手段はどうなっているのか、特に、遠方の県大会や北信越大会に参加するときの移動手段についてはどのようになっているのか、現状をお聞かせください。
○
福田太郎議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 生徒の移動手段につきましては、公共交通機関や貸切バスなどの利用のほかに、自転車、保護者会が所有するマイクロバス、保護者の送迎などによって行っております。ただ、その日の移動距離または天候なども考慮する必要がございますので、各学校ではそうしたことも踏まえながら、校長を中心として相談しながら決定しておるところでございます。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 今お聞きしましたところで、遠方の場合、指導者や保護者の方が運転する車で移動することもあると聞いております。私は、指導者や保護者の方が運転するのはやっぱりいかがなものかなと思っています。できることならプロの方にお願いしていただきたいなと思っています。費用の面やらいろいろ条件で難しいということはあるでしょうが、やっぱり市外等の遠方へ移動するときは負担も少なくないと思いますので、大会等への移動費用については、これから何らかの支援を行っていただきたいと思いますが、そこら辺をお聞かせください。
○
福田太郎議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 現在、部活動におきましては、北信越大会や全国大会などの上位大会に参加する場合は、生徒の移動費用の2分の1を補助いたしております。さらなる支援ができないか、今後、市教育委員会の中で知恵を絞ってまいりたいと思っております。 以上でございます。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 ぜひとも支援していただきたいなと。事故のあった珠洲市では、きのう、おとついですかね、議会のほうで、できる限り事業者のバスをチャーターしていただけるようにすると、また、公式大会参加への補助も検討するということでありますので、珠洲市より金沢市のほうがそういうことが多いんじゃないかなと私は思うのですけれども、積極的支援が必要ではないかと思っております。 今回の事故を通して、中学校の部活動に参加している保護者からも、大会等への移動に対して心配の声もあったように思われますが、市として学校に対して何らかの指導があったのかお聞かせください。
○
福田太郎議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 先般の事故を受けまして、教職員が運転する車両に生徒を乗せて送迎しないこと、校長が生徒の送迎方法や移動経路、経費等について事前に把握しておくこと、また、自転車を利用する際にはヘルメットを着用することなどについて改めて指導しております。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 こういうときこそしっかりした指導が必要かなと思っております。 しかしながら、どんなに注意しても完全に事故を防ぐことは私はできないかなと思ってもおります。あってはならないことですが、万が一、大会等への移動中に事故などに遭った場合は、その保険対応はどのようになっているのかお聞かせください。
○
福田太郎議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 大会等への移動も含めて、部活動中の事故に対しましては、学校管理下における児童・生徒の災害に対応する日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度で対応しているところでございます。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 先ほど前議員のときでもお話を聞きましたけれども、部活動の大会等は練習試合も含めて土日を中心に開催されることが多いと思います。当然、校長先生も競技会場に応援には駆けつけるケースが多いと思いますが、校長先生のほうで生徒たちの競技会場への移動手段を事前に把握しているのか。把握方法も含めてお聞かせください。
○
福田太郎議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 大会や練習試合も含めて、全ての競技における移動手段につきましては、顧問から校長に対しての口頭もしくは書面での届け出などが行われることになっています。今回の事故を受けて、生徒の送迎手段、経路、経費等について、あらかじめ校長の承認を得ることを改めて指導したところでございます。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 これからも中学生が安全で安心して部活動に取り組めるよう、移動手段のルールの再検討が私は必要だと思います。そのことについて御意見をお聞かせください。
○
福田太郎議長 野口教育長。
◎野口弘教育長 生徒の安全確保のためには、公共交通機関や貸切バスの利用が望ましいと考えています。大会の時期や日程などによって保護者会に送迎を依頼することもございますが、その際には使用する車両の保険や運転歴などを校長が確認することを徹底してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 安心して安全に子どもたちが行けるように、よろしくお願いいたします。 最後に、クルーズ船寄港と金沢港整備についてお伺いいたします。私は、この夏、8月31日から9月5日にかけてイタリアのコスタ・クルーズ社が運航する船旅に行ってまいりました。私は、元来海が大好きですし、クルーズ船に関しては大変関心を持っていました。金沢港の整備や活性化については今まで何回か質問させていただきましたが、今回自分が体験したこと、感じたことを何点か質問させていただきます。質問の前に、船旅の感想を一言、思った以上に楽しかったし、すばらしい体験をさせていただきました。ぜひ市長にも体験して、乗船していただきたいと思っております。 クルーズ船は、コスタ・ビクトリア、総トン数7万5,000トン、全長253メートル、乗客定員数2,394名の大型客船、実際乗ってみて大きいのにびっくりしました。この船が金沢港に入港したとき、思った以上に金沢港が狭いので、うまいこと接岸できるかと私も心配しましたけれども、船は戸水ふ頭に無事着岸しました。改めて整備の必要性を感じた次第でございます。クルーズ船の寄港回数は2014年に16回、2015年に19回、ことしはコスタ・クルーズ社の10回を含めて30回、来年2017年コスタ・クルーズ社の32回を含めて50回以上になる予定だということであります。クルーズ船の寄港が多くなり、金沢港が活性化することは大変うれしいことでありますが、このクルーズ船寄港増について市長の御見解をお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 今ほど田中議員に御指摘いただきましたように、クルーズ船のトレンドは本当にありがたいことにふえてきています。今後ですけれども、金沢港がこのクルーズの拠点港として大きく飛躍できるかどうかは、やはり知事もいつもおっしゃっていますけれども、来年にかかっているんだというふうに思っています。そのためにも、県や関係機関としっかりと連携をとっていかなくちゃいけないと思っています。課題ですけれども、税関手続の円滑化、シャトルバスなどの交通手段の確保、それらを含めた受け入れ体制の整備だというふうに思っていまして、繰り返しになりますけれども、関係機関と連携しながら、しっかりとその体制をとってまいります。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 課題は多いと思います。金沢港の整備につきましては所管が石川県になりますので、先日、金沢開発協議会の知事要望のとき、私は谷本知事に質問させていただきました。現在の戸水ふ頭は、今はクルーズ船も利用していますが、本来は貨物専用の岸壁であり、多くの問題があると私も思います。要は、クルーズ船専用で使える無量寺岸壁の整備が最優先課題だと思います。知事は、2019年、
東京オリンピックの前年までに整備し供用を開始したいと言っていましたが、市長の思いをお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長
東京オリンピック・
パラリンピック前にということで、県・市しっかりと力を合わせて取り組んでいるところであります。本年、金沢港からクルーズ船を利用した人の約4割が首都圏から来た方であります。
東京オリンピックが開催される2020年にはさらに多くの利用客が見込まれますので、繰り返しになりますけれども、県としっかりと連携しながら早期の整備に努めてまいります。
○
福田太郎議長 田中展郎議員。
◆田中展郎議員 何といっても、無量寺岸壁の整備が一日も早く行われることが、いろいろなほかの課題を解決していくことかなと私は思っております。実際経験して、戸水ふ頭については、本当に安全性の問題、それから乗船客の港内移動、それから、行くと仮設テント-ここへ入るということ、おもてなしもやっていましたけれども、また駐車場へとめて荷物を引っ張って船に乗るというような、そんな解決しなければならない課題が山積していると思います。無量寺岸壁の完成を待ってから整備すれば一番やりやすいんでしょうけれども、たくさんの方がもう来年から来ますので、そんなことを思えば、岸壁が完成するまでもなく、やれることはやらなければならない、そんな姿勢が必要かと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 最後に、これは金沢港の有利な点かなと思っていますけれども、シャトルバスで駅まで15分、20分、多くの観光地を有している魅力があります。また、北陸新幹線開業で多くの観光客が金沢を訪れています。金沢港発着クルーズは多くの経済効果も期待できます。先ほど市長も言っていましたけれども、来年が定期化の正念場と知事も言っていました。ぜひ定着してほしいと思います。金沢港の整備につきましては、連携と役割分担が私は必要かなと思っております。国にお願いすることは国へ、県はやっぱりハード面の整備についてお願いしたいし、それから、市はやっぱりソフト面かなと思っています。ソフト面は市がやり、それぞれ役割分担して、やれるべきことをやり、全体像は連携して取り組む、そんな体制づくりが必要だと思いますが、御意見をお聞かせください。
○
福田太郎議長 山野市長。
◎山野之義市長 まず、来年から50隻とたくさん来るので、無量寺岸壁が完成する前から、できることをやるべきだという御提案をいただきました。乗船客の駐車場がやはり不足しますので、戸水ふ頭に近い南部工業用地に暫定駐車場を整備するなど、利便性と安全性が損なわれないように対応することとしております。今後とも、増便に伴います港全体の状況を見きわめつつ、県や関係機関としっかりと連携をとりながら取り組んでまいります。 国、県、市の対応ですけれども、国の支援を受けつつハード的な対応をしっかりとしていかなければいけないと思っています。ソフト的なことにつきましても、県、市、金沢港振興協会が一体となり、クルーズ船の誘致や歓送迎行事の実施など振興策に取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。来年、クルーズ船の寄港がたくさんあるということで先ほどお話ありました。その受け入れ体制の充実、金沢市としてできるべきことがあるのではないかということで……
○
福田太郎議長 山野市長に申し上げます。時間が経過しております。
◎山野之義市長 来年、経済局の組織体制の強化についても検討してまいります。 以上です。
○
福田太郎議長 以上で37番田中展郎議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。(拍手) 以上をもって、質疑並びに一般質問は終わりました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△委員会付託
○
福田太郎議長 ただいま議題となっております議案第34号ないし議案第50号の各件は、お手元に配付いたしてあります議案審査付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 〔議案審査付託表は本号末尾参照〕
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△請願・陳情の委員会付託
○
福田太郎議長 なお、今定例月議会におきまして本日までに受理いたしました請願・陳情の各件は、お手元に配付いたしてあります請願・陳情文書表のとおり、それぞれ所管の総務常任委員会または議会運営委員会に付託いたします。 〔請願・陳情文書表は本号末尾参照〕
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△議案上程
○
福田太郎議長 次に、日程第3認定第1号平成27年度金沢市
歳入歳出決算認定についてを議題といたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△委員長報告
○
福田太郎議長 これより、本件に対する委員長の報告を求めます。 一般会計等決算審査特別委員会委員長久保洋子議員。 〔一般会計等決算審査特別委員会委員長 久保洋子議員登壇〕(拍手)
◆久保洋子一般会計等決算審査特別委員会委員長 ただいま議題となりました認定第1号平成27年度金沢市
歳入歳出決算認定につきまして、一般会計等決算審査特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 本委員会に付託されました案件は、平成27年度金沢市一般会計歳入歳出決算のほか11特別会計の
歳入歳出決算認定であり、さきの平成28年度9月定例月議会で当委員会に付託され、審査することとされました。 これら各会計の決算審査につきましては、9月16日を初めとして5回にわたり委員会を開催し、決算書及び附属書類に基づき、関係当局から詳細な説明を聴取し、終始慎重なる審査を行ってまいりました。 また、予算執行による行政効果の確認のため、金沢市城北市民運動公園スポーツ交流広場の現地視察を行いました。 その結果、認定第1号平成27年度金沢市
歳入歳出決算認定につきましては、賛成多数をもってこれを認定すべきものと決しました。 なお、審査の過程におきまして、 1、高齢化の進展により、今後、社会保障費の増加が避けられないことから、財源の確保と事業の効率化に取り組み、財政の健全性の堅持に努められたい。また、市債残高は着実に減少しているが、依然として市民1人当たりの残高が多いことを踏まえ、中期財政計画に基づく繰上償還の実施など、将来世代の負担軽減に意を用いられたい。加えて、今後の財政需要を見据え、基金の有効活用に取り組まれたい。 2、北陸新幹線金沢開業効果を持続させ、次なるステップへの飛躍に向けて、重点戦略計画の着実な実践により、文化やスポーツの振興など、本市の個性に立脚したまちづくりに取り組まれたい。 3、業務の多様化、複雑化により、職員の負担もふえていることから、職員の心身の健康を維持するため、よりきめ細やかな相談体制の構築を図るとともに、時間外勤務の抑制など働く環境の改善に取り組まれたい。また、新たに策定された中期人事計画に基づき、職員定数の適正化や人員の効果的な配置に意を用いられたい。との要望事項が付されましたので、あわせて御報告をいたします。 以上をもちまして、一般会計等決算審査特別委員会の委員長報告を終わります。(拍手)
○
福田太郎議長 委員長報告は終わりました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△討論
○
福田太郎議長 これより、委員長報告に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告がありませんので、直ちに討論に入ります。 通告がありますので、発言を許します。 30番森尾嘉昭議員。 〔30番森尾嘉昭議員登壇〕(拍手)
◆森尾嘉昭議員 私は、日本共産党市議員団を代表して、認定第1号平成27年度金沢市
歳入歳出決算認定について、認定できないことを表明し、その主な点について討論を行います。 第1に、地方自治体の本来の役割である市民生活と福祉の向上とは逆行する施策が打ち出され実行されたことです。具体的には、介護保険料が3年ごとの改定によって基準額の月額料金が5,680円から6,280円に引き上げられました。その結果、47ある中核市の中で高いほうから4番目となりました。 国民健康保険料についてです。この保険料は平成25年度からその算定方式が住民税方式から旧ただし書き方式へと変更され、加入世帯の4割が保険料の引き上げとなりました。その結果、従来の2倍の保険料となるなど深刻です。そのため激変緩和措置がとられたものの、一般世帯を対象とする激変緩和措置は平成27年度で終了いたしました。国民健康保険費特別会計は5年連続の黒字となっています。この黒字額によって、平成27年度最終補正で16.5億円の基金を創設いたしました。さらに、国からの保険基盤安定繰入金4.3億円が新たに措置されていることから、保険料の引き下げの財源は十分にあり、保険料の引き下げが可能です。長寿お祝い金が削減され、医療、介護、福祉の自己負担がふやされたことも決算を通じて指摘しなければなりません。長寿お祝い金は、88歳、99歳、100歳、101歳以上を対象としていたものが88歳と100歳だけとなり、お祝いの内容も変更され、その結果、6,500万円の事業費が2,345万円に減少しました。ふれあい入浴補助金の利用負担が100円から150円に、すこやか健診、大腸がん検診の自己負担が100円ふえました。また、在宅寝たきり高齢者への歳末見舞金と高齢者施設入所者への夏季見舞金3,000円を廃止し、事業費を720万円削減しました。 第2に、市民の負担をふやし、医療、介護、福祉の分野の事業費を削る一方で、大型開発事業には大盤振る舞いが続いています。金沢港湾建設事業は、大手企業であるコマツのために金沢港の深さを10メートルから13メートルに深くし、道路などを整備するものとして行われています。これまでに304億円が投入され、本市の負担が51億円に上っています。
金沢外環状道路整備事業は、大友、直江、近岡の区画整理事業とともに大型の事業として進められています。片町A地区市街地再開発事業は、事業費57億円、そのうち公的補助金は35億4,900万円と実に62%に上り、本市の補助金は8億5,000万円となりました。 第3に、先端産業を誘致するとした呼び込み型の企業立地は行き詰まり、市民負担が押しつけられる一方で、伝統産業など地域産業が衰退してきていることです。金沢テクノパークは、先端産業を誘致するとして280億円を投じて造成されました。いまだに4分の1に当たる6区画8.5ヘクタールが売れ残ったままです。平成19年度、1社が立地したのを最後に、平成27年度まで8年間立地はゼロとなっています。工業用水を維持するために毎年約3,000万円が一般会計から投入されています。投資動向調査として約250万円が毎年支出されています。もはやこの事業の再検討が必要です。一方で、加賀友禅、金沢箔、金沢漆器、金沢仏壇など伝統産業は半分から3分の1にまで減少しています。本市の製造業、小売業も、この10年間で2割の減少となっています。地域経済を支えてきたこうした地域産業を重視する施策への転換が求められています。 第4に、この間進められてきた事業や施策について指摘しておかなければなりません。マイナンバー制度の実施についてです。税金や保険料、社会保障給付の記録などを一元的に管理するとして、国民一人一人に12桁の番号をつけ、申請によってそのカードを発行するとして事業が始まりました。ところが、プライバシーが守れるのか、国民に役立つどころか国が一方的に管理するものだとして批判が高まり、普及は一部にとどまっています。本市はこの導入のために平成26年度と27年度の2カ年で4億2,000万円を投じていますが、問題が多い事業となっているだけにやめるべきです。 泉小学校・泉中学校建設事業費についてです。これまで指摘してきたように、古くなった小中学校を新しくしてほしいとの要望を逆手にとって、2つの小学校を統廃合し、小中一体校の建設へと進めてきたものです。統廃合した泉小学校と泉中学校を合わせると1,000人近くの児童・生徒数を抱えることになります。幼児期を過ぎた小学生と思春期を迎えようとする中学生を小中一体校と称して学ばせることには各方面から疑問の声が出されているだけに、十分な理解と合意が得られていません。なお、平成27年度までの事業費は約9億円となっており、今後、建設事業費は全体で40億円を超え、さらに、用地の取得、体育館の建設と続き、さらに事業費が増大するだけに、市民と議会への公開を求めておきたいと思います。 職員定数の削減です。平成27年度、本市正規職員数3,269人、非常勤職員901人、臨時職員296人、合計4,466人となっています。非常勤職員と臨時職員を合わせると1,197人となり、職員の約3割に上っています。平成21年度と27年度を比較すると、正規職員数は101人減り、一方、非常勤職員は367人急増しています。各学校に配置されている校務士が削減され、教育現場への影響が指摘されています。ごみ業務や学校給食の分野などでも民間委託化が進んでいます。正規職員の配置を通じて職場の働く環境を守り、向上させ、市民の要望や負託に応えることが大切だと考えるものです。 以上で討論を終わります。(拍手)
○
福田太郎議長 討論は終わりました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△採決
○
福田太郎議長 これより、採決いたします。 お諮りいたします。 認定第1号は、ただいまの委員長報告のとおり、これを認定することに賛成の議員の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○
福田太郎議長 起立多数であります。 よって、本件は、これを認定することに決しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△議案上程
○
福田太郎議長 次に、日程第4議案第31号平成27年度金沢市
公営企業特別会計未
処分利益剰余金の処分について及び認定第2号平成27年度金沢市
公営企業特別会計決算認定についてを議題といたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△委員長報告
○
福田太郎議長 これより、本件に対する委員長の報告を求めます。 企業会計決算審査特別委員会委員長下沢広伸議員。 〔企業会計決算審査特別委員会委員長 下沢広伸議員登壇〕(拍手)
◆下沢広伸企業会計決算審査特別委員会委員長 ただいま議題となりました議案第31号平成27年度金沢市
公営企業特別会計未
処分利益剰余金の処分について及び認定第2号平成27年度金沢市
公営企業特別会計決算認定につきまして、企業会計決算審査特別委員会における審査の過程並びに結果について御報告申し上げます。 本件は、平成27年度
公営企業特別会計未
処分利益剰余金の処分並びに平成27年度ガス事業、水道事業、発電事業、工業用水道事業、病院事業、中央卸売市場事業、公共下水道事業及び公設花き地方卸売市場事業の8会計の決算認定であります。 これら各会計決算の審査につきましては、去る9月16日を初めといたしまして5回にわたり委員会を開催し、決算書及び附属書類などに基づき、関係当局から詳細な説明を聴取し、終始慎重なる審査を行ってまいりました。 また、予算執行による行政効果の確認のため、企業局ガスショールーム「ガスぽーと」の現地視察を行ってまいりました。 その結果、議案第31号平成27年度金沢市
公営企業特別会計未
処分利益剰余金の処分につきましては、全会一致をもってこれを可決すべきものと決し、認定第2号平成27年度金沢市
公営企業特別会計決算認定につきましては、賛成多数をもってこれを認定すべきものと決した次第であります。 なお、審査の過程におきまして、 1、ガス事業については、単年度収支の黒字が続いているものの、多額の累積欠損金がいまだ解消されておらず、オール電化住宅の増加などにより供給戸数や販売量は依然として減少傾向が続いていることから、ガス需要拡大に向けて、企業局ガスショールーム「ガスぽーと」を活用し、これまで以上に精力的に営業活動に取り組み、経営環境の改善を図られたい。 2、水道事業については、地震等の災害に備え、水道施設の耐震化や経年対策を着実に推進することにより機能強化を図り、安全・安心な水道水の安定供給を将来にわたり確保されたい。また、県水受水費については、減少したというものの、依然として費用に占める割合が高いことから、引き続き県当局に受水負担の軽減に向けて、粘り強く交渉するよう努められたい。 3、発電事業については、クリーンで環境負荷の少ない再生可能エネルギーとして水力発電を行う意義は高く、今後も本市における経営の維持が期待されるが、電力の小売自由化などによる大きな転換期を迎えたことから、公営電気事業者としての役割を再確認して、幅広く事業の方向性について検討されたい。 4、病院事業においては、平成27年度は単年度収支が黒字に回復したものの、未処理欠損金がいまだ多く残されていることから、引き続き経営の効率化を図られたい。一方、急性期病院としての役割を軸に、超高齢社会に対応した地域包括ケア病床を持つ地域連携型病院として、介護施設等としっかり連携し、地域の医療ニーズに応えるなど、常に市民の立場に立つ病院であるよう意を用いられたい。 5、中央卸売市場事業においては、近年異常気象が多発していることから、少しでも安くてよい野菜を市民に提供できるようその確保に努めるとともに、全体の取り扱い数量が減っているように、大型量販店の進出や流通チャンネルの多様化に伴い、市場を取り巻く環境が年々厳しさを増している中で、公設市場の使命である安全・安心な生鮮食料品の安定供給と、加賀野菜や地元水産物の流通拡大に向けて、配送センターのさらなる活用やPR活動に積極的に励まれたい。との要望事項が付されましたので、あわせて報告いたしておきます。 以上をもちまして、企業会計決算審査特別委員会の委員長報告を終わります。(拍手)
○
福田太郎議長 委員長報告は終わりました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△討論
○
福田太郎議長 これより、委員長報告に対する質疑に入るのでありますが、ただいまのところ通告がありませんので、直ちに討論に入ります。 通告がありますので、発言を許します。 7番大桑初枝議員。 〔7番大桑初枝議員登壇〕(拍手)
◆大桑初枝議員 私は、日本共産党市議員団を代表して討論を行います。 我が党は、認定第2号平成27年度金沢市
公営企業特別会計決算認定について、認定できないことを表明し、その理由を述べます。 まず、水道事業についてであります。県水の責任水量が70%から60%に下がったことで、自己水の配水量は全体の51.3%となり、県水は48.7%になりました。このことで平成27年度は純利益11億5,220万円が計上され、その利益を建設改良積立金に回しています。平成27年度の県水の責任水量引き下げで出された利益4億2,982万円は、市民が支払った料金であり、積立金に入れるのではなく、水道料の引き下げや料金の維持に使うべきであります。責任水量制で私たちは、単価が27円の自己水が十分あるにもかかわらず、単価が3倍以上も高い99円の県水をとらなくてはならないという矛盾を抱えています。天候の不順や夏による干ばつの心配から、万が一のときに備えて必要だと県水の重要性を述べていますが、自己水1日当たり20.5万トンの配水能力を考えますと、十分自己水で補うことができます。決算の審査意見の中でも、県水の受水費は依然として費用に占める割合が高いことから、引き続き県に対して受水単価及び責任水量の引き下げを求めていく必要があるとしています。 工業用水道事業会計も認定できません。従来から指摘してきましたが、この工業用水はテクノパークのための工業用水として平成9年から給水が開始されたものであり、その利用は実質3社にすぎません。そのうち1社で水量の90%を占め、事業開始以来、一般会計からの補助により収支を均衡させています。今年度も一般会計から2,576万円の補助を繰り入れしています。特定の企業に市民からの税金を繰り入れ続けることには強く反対します。 以上で討論といたします。(拍手)
○
福田太郎議長 討論は終わりました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△採決
○
福田太郎議長 これより、採決いたします。 まず、議題のうち、議案第31号の議案1件を採決いたします。 本件に対する委員会の決定は、可決であります。 お諮りいたします。 本件は、委員会の決定どおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
福田太郎議長 御異議なしと認めます。 よって、本件は、原案のとおり可決することに決しました。---------------------
○
福田太郎議長 次に、認定第2号の議案1件を採決いたします。 お諮りいたします。 認定第2号は、ただいまの委員長報告のとおり、これを認定することに賛成の議員の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○
福田太郎議長 起立多数であります。 よって、本件は、これを認定することに決しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△休会について
○
福田太郎議長 以上をもって、本日の日程は終了いたしました。 お諮りいたします。 明16日から18日までは委員会審査及び議案調査のため休会といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
福田太郎議長 御異議なしと認めます。 よって、さよう決定いたしました。 この際、御通知申し上げます。 次の本会議は、19日午後1時から開きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
△散会
○
福田太郎議長 本日はこれにて散会いたします。 午後3時28分 散会----------------------------------- 〔参照〕----------------------------------- 平成28年度金沢市議会12月定例月議会議案審査付託表----------------------------------- 総務常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第34号平成28年度金沢市
一般会計補正予算(第3号)
第1条 歳入歳出予算の補正
歳入 全部………………………………………………………24 歳出 1款 議会費………………………………………313 2款 総務費………………………………………
(1項総務管理費中1目一般管理費の一部及び14目諸費の全部並びに3項戸籍住民基本台帳費の全部を除く。)314 8款 土木費
4項 港湾費…………………………………………431 10款 教育費
5項 大学費…………………………………………437 12款 公債費………………………………………541 第2条 繰越明許費
2款 総務費……………………………………………5 第4条 地方債の補正………………………………………646議案第39号職員の服務等に関する条例及び企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部改正について……………………………………………………………14 議案第40号特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について……………17 議案第41号職員の給与に関する条例の一部改正について………………21 議案第42号金沢市職員退職手当支給条例及び企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部改正について…………………………………………………………45 議案第43号金沢市税賦課徴収条例の一部改正について…………………49 議案第46号工事請負契約の締結について(金沢市立泉中学校校舎解体工事)……………60 経済環境常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第34号平成28年度金沢市
一般会計補正予算(第3号)
第1条 歳入歳出予算の補正
歳出 4款 衛生費
2項 環境衛生費
1目 環境衛生総務費の一部……………………323 2目 環境保全費……………………………323 3項 清掃費……………………………………323 5款 労働費………………………………………325 6款 農林水産業費………………………………426 7款 商工費………………………………………428 第2条 繰越明許費
6款 農林水産業費……………………………………5 議案第38号金沢市農業委員会条例及び金沢市非常勤職員の報酬等に関する条例の一部改正について………………………………………………………………………12 市民福祉常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第34号平成28年度金沢市
一般会計補正予算(第3号)
第1条 歳入歳出予算の補正
歳出 2款 総務費
1項 総務管理費
1目 一般管理費の一部…………………………314 14目 諸費……………………………………315 3項 戸籍住民基本台帳費……………………316 3款 民生費………………………………………318 4款 衛生費………………………………………
(2項環境衛生費中1目環境衛生総務費の一部及び2目環境保全費の全部並びに3項清掃費の全部を除く。)322 10款 教育費
6項 社会教育費
1目 社会教育総務費の一部……………………437 第2条 繰越明許費
3款 民生費……………………………………………5 議案第44号金沢市国民健康保険条例の一部改正について………………54 建設企業常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第34号平成28年度金沢市
一般会計補正予算(第3号)
第1条 歳入歳出予算の補正 歳出 8款 土木費………………………………………
(4項港湾費の全部及び5項都市計画費中7目公園費の一部を除く。)429 9款 消防費
1項 消防費
3目 災害対策費…………………………………43411款 災害復旧費………………………………………………540 第2条 繰越明許費
8款 土木費……………………………………………5 議案第35号平成28年度金沢市水道事業特別会計補正予算(第1号)……………747議案第36号平成28年度金沢市発電事業特別会計補正予算(第1号)……………853議案第37号平成28年度金沢市公共下水道事業特別会計補正予算(第1号)……………1060議案第45号金沢市ガス供給条例及び金沢市液化石油ガス供給条例の一部改正について………………………………………………………………………………………55 議案第48号市道の路線認定について………………………………………62 議案第49号市道の路線廃止について………………………………………63 議案第50号市道の路線変更について………………………………………64 文教消防常任委員会議案番号件名ページ数議案書説明書議案第34号平成28年度金沢市
一般会計補正予算(第3号)
第1条 歳入歳出予算の補正
歳出 2款 総務費
1項 総務管理費
1目 一般管理費の一部…………………………314 8款 土木費
5項 都市計画費
7目 公園費の一部………………………………432 9款 消防費………………………………………
(1項消防費中3目災害対策費を除く。)434 10款 教育費………………………………………
(5項大学費の全部及び6項社会教育費中1目社会教育総務費の一部を除く。)435 第2条 繰越明許費
10款 教育費……………………………………………6 第3条 債務負担行為の補正………………………………645議案第47号金沢プールの指定管理者の指定について……………………61 平成28年度金沢市議会12月定例月議会請願・陳情文書表----------------------------------- 1 新たに受理した請願(1件)・陳情(1件)番号請願件名請願人紹介議員受理年月日請願要旨付託委員会第22号所得税法第56条廃止の意見書採択についての請願金沢白山民主商工会婦人部
泉谷公子広田美代28.12.1総務請願趣旨
地域経済の担い手である中小業者の営業は、家族全体の労働によって支えられている。しかし、日本の税制度は、家族従業者の働き分(自家労賃)を所得税法第56条「配偶者とその親族が事業に従事したとき、対価の支払いは必要経費に算入しない」(条文趣旨)となっている。家族が従業している場合は、どんなに長時間働いても、その給料は税法上では必要経費として認められず、全て個人事業主の所得になる。控除される金額は、配偶者は86万円、家族の場合は50万円となっている。
諸外国は家族従業者であるかどうかを問わず、正当な給与は事業経費として控除を認めている。また、ことし2月の国連女性差別撤廃委員会では、所得税法第56条を取り上げ、「配偶者や家族の所得を必要経費と認めていないことが女性の経済的独立を妨げているとし、見直しを検討することを求める」と日本政府へ勧告が出された。
3月の衆議院財務金融委員会でもこの勧告を受けて、「政府に必要な取り組み等を要請する」と、答弁するまでに状況は変化している。
家族の人権を認めない所得税法第56条は廃止すべきと、2016年10月現在で全国の474自治体が国へ意見書を上げている。石川県議会では2010年12月に採択され、国へ意見書を提出している。
2014年1月から白色申告者も記帳が義務化となった。所得税法第56条は明治時代の家父長制度の名残の「家」制度によっている。
ぜひ、憲法第24条「家族における個人の尊厳と両性の平等」に反する税制度を早急に廃止してほしい。
以上の趣旨から、地方自治法第124条の規定により、次の事項について請願する。
請願項目
1.「所得税法第56条廃止の意見書」を政府に送付すること。番号陳情件名陳情人受理年月日陳情要旨付託委員会第9号金沢市議会政務活動費の領収書等のホームページ公開等を求める陳情市民オンブズマン石川
代表幹事 林木則夫28.10.5議会運営理由
金沢市議会政務活動費は、金沢市議会政務活動費の交付に関する条例により、毎年度、収支報告書、会計帳簿及び領収書等を議長に提出しなければならないし、議長に対し提出された収支報告書等の閲覧を請求できると定められている。
しかるに、収支報告書と領収書等の閲覧は、紙ベースで閲覧することしかできないため、市民が閲覧するには、平日の昼間に金沢市庁舎へ赴かなければならない。また、写しの交付を受けて持ち帰ろうとする県民は1枚当たり10円の費用を支払わなければならず、全部の領収書の写しを入手する場合には高額な費用が必要となる。請求の都度、写しを作成する職員の負担も無視できない。
また、現行の出納簿は、前金払いされた政務活動費の支出に係る会計帳簿ではない。そのため、市民が政務活動費の支出状況の詳しい情報を得るには、領収書等を一枚一枚点検し、整理する以外に方法はない。
政務活動費の使途を、真に市民に向けて透明なものとするためには、また、市民がいつでも安価かつ容易に政務活動費の使途の情報を得るためには、議会のホームページで公開して閲覧できるようにすることが必要である。
近年、政務活動費の使途の透明化要請が高まるとともに、収支報告書、領収書等を議会のホームページで公開する自治体が増加しつつある。平成27年9月段階では、領収書等をホームページで公開している議会は、大阪府、高知県、函館市の3自治体にとどまっていたが、その後、兵庫県、大阪市、京都市、神戸市、大津市、西宮市が平成27年度分からホームページ公開を実施しており、その後、さらに徳島県、横須賀市が平成28年度からのホームページ公開を決定している。
以上の理由により、一日も早く、収支報告書、領収書等の議会のホームページでの公開を実現し、条例規定に基づく会計帳簿の提出を求めるべきである。
要旨
1 政務活動費の支出に係る収支報告書と、これに添付して提出される領収書等を、議会のホームページで公開してください。
2 現行の政務活動費出納簿は、前金払された政務活動費の会計帳簿ではありませんから、金沢市議会政務活動費の交付に関する条例規定の会計帳簿の提出を厳守してください。...